神会
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かせる裏で神達が身悶える痛恨の名が存在する。
『ーー決定。冒険者、セティ・セルティ、称号は【暁の聖竜騎士】』
「イテェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!?」
そんな痛恨の名が神会では大量生産される
一部の神達が、酸欠に陥りかねない笑いの衝動を得たいがために、子供たちには畏敬さえ抱かれている二つ名を連発していくのだ。
称号もらっめ誇らしげにする子供と、悶絶する神々を指差して、今日も床を転げ回るのである。
……まぁ、こうやって回想してる僕も、昔は同じような道を通ってきたんだ。洗礼だと思って頑張ってね。
「【暁の聖竜騎士】……格好いいのぉ……!」
「はぁ、君は相変わらずで羨ましいね」
「全くじゃ。こんな風に喜べるならどれだけよかったことか」
テュールが隣で椅子の上に立ち上がり(それでも、大人サイズが座っているようにしか見えない)大興奮しているのを横目に僕とイルマタルはため息をついた。イルマタルも幸せが逃げるよ?
この神会において、特に酷いのは新参の神の扱いだ。
上位派閥を率いる格上の神たちが、一日の長があるのをいいことに、ここぞとばかりに新人なぶりを始めるのだ。
絶叫しては崩れ落ちる者とゲラゲラと笑う者を見比べて、やっぱ変わらないなーと傍観した。
だが、そんな新参の神にも痛恨の名を回避する方法がある。
一つは神会が始まる前から有力者に金品を貢ぐ方法。だがこれは、大抵法外な額を要求されるので発展途上で財産力のないファミリアには難しい。
多いのは、今、タケミカヅチの子のように人物像がよっぽど神達に気に入られた場合だ。これは女性が多い。
だが、主神、タケミカヅチが気に入らないとのことで最終的に【絶†影】に決まった。
頭を手で抱えて慟哭を散らすタケミカヅチに、心の中で合掌しておく。
君も、もうすこしその天然ジゴロを治した方がいいよ。
イルマタルのところは、それなりに大きい派閥であるためそれほど酷いことにはならなかった。が、問題は……
「次は妾じゃな!」
隣で元気なこの幼女神だ。
今までも、他の新参の神が崩れ落ちるなかで笑うわけでもなく、ただ純粋に格好いいとかいって目をキラッキラさせていた。
「えーっと、テュールのとこはデイドラ・ヴィオルデっちゅー子やな」
手元の資料を見ると、先日顔を会わせた男の子の似顔絵が描かれている。
黒髪に緑翠色の瞳。武器は短刀。
「んー、テュールのところか……」
「幼女神だと面白味がないんだよなー」
「だな。逆に喜ぶし……」
「いいじゃないの。可愛
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