神会
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をつく。
神会までまだ時間はあるけど、それまでに腹をくくっとかないと
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「はぁ……」
「なんじゃお主。ため息なぞつきおって。幸せが逃げるぞ?」
神会が開かれるバベルの三十階へ向かう途中に出会ったイルマタルにそんなことを言われた。
いつも通りの男装に身を包んだ僕の友神が隣でかっかと笑うのを横目に肩を落とす。
僕も、これくらいポジティブになれたらいいんだけどなぁ……
「ほれ、そんな顔するでない。お主は上位派閥の主神だろうに。シャキッとせんか」
「……そうだよね。ありがと、イルマタル」
そういわれると少し元気になるかな。
今はオラリオでも有数の派閥になってるし、最近は以前のようにあからさまに悪口を言ってくるのも減ったしね。……カーマ以外は。
イルマタルと最近どうだとか、近況報告をしている間に会場についた。
僕が少し躊躇っている間に、イルマタルが扉を開けてずんずんと入っていく。僕も覚悟を決めて扉を潜り、空いた席につく。
途中、もうすでに集まっていた神からの視線を受けたが、気にしたら負けだ。式もそう言ってたし
会場となっているこの場所は、フロアを丸々使っていて、存在していた全ての仕切りが取り払われている。
広い空間には巨大な円卓が中央にポツンとあるだけだ。壁際も硝子が張り巡らされていて、そこから空の様子が伺える。
「バルドル、ここに来ての逃避はよさんか」
「アハハ……ごめん」
乾いた笑いのあとに謝ると、謝るでないわ、ととなりの女神に頬をつつかれた。
イルマタルって、なんかお姉さんみたいなんだよなぁ、と内心で勝手に呟く。
それからも続々と神がやって来る。
どうやら、今回は【ランクアップ】した子供は多いようだ。よく見る顔ぶれの他にも、今回初めて出てきた神の姿も見える。
「バルドル、隣、よいかの?」
「ん? あ、テュールじゃないか」
入室してくる神たちに視線がいって気付かなかった。
僕の隣の席に陣取った(と言っても、間隔は空いているが)のは懇意派閥である【テュール・ファミリア】の主神、テュール。この間も遠征を行った間柄だ。
腰まである白髪を揺らして、ご機嫌な様子のこの女神。
僕が知る限りではダントツでトップの幼女である。
神達の間でロリ神ならヘスティアを指すけど、幼女神ならこのテュールだといってもいい。
見た目は子供たちの年でいうと十歳に満たない子供だ。
神友も、テュールとなら話せるんだけどなぁ
「ほぉ、珍しいこともあるもんじゃな」
「お? イルマタルも来ておったか。久しぶりじゃの」
「ここに
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