第1章 光をもとめて
第5話 桃色の巨凶
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「恐ろしく運が強い男がこの国にいる。……気をつけた方がイイぞ。引き際を ちゃんと見極める様にな」
そう言って笑うと……、そのまま カジノの外へと出て行った。
「ふ、ふん。格好付けめっ! で、でも、アイツだけは超要注意人物だ……、ちゃんと根回ししておかないと……」
まるで指名手配犯の様に瞬く間にユーリの事は、スタッフ間に出回っていった。イカサマについては、それなりに黙殺している部分があるのだ。
勿論、公に認めている訳じゃないから、最終的にバレたら、トカゲのしっぽきり、と言う事で 彼女が切られるだけだが。
つまり、全く反省せず、これからも続ける気満々だったのだ。……それが葉月にとって悲劇となるのは、また別の話。
『がーーーっはっはっは!!』
そして、その後は色々と確認をして回った後、ランスと合流した。
「……何やらカジノで騒がしかったが、ランスか?」
「がーっはっはっは!! オレ様は正義の使者だからな! 悪さをする子にお仕置きをしたまでだ。がははは!」
「はぁ……」
予想通り、と言えばそうなのである。葉月は相手が悪かったと言う事で諦めてもらおう。
「そう言えば、葉月ちゃんは、『今日ななんで2人もーー!』 と言っていたのだが……、まさかとは思うが貴様、何かしたのか?」
「ん? ああ、一応忠告をな」
「何ぃ!! やはり、 貴様か!! オレ様の葉月を襲ったのは!」
「だから、なんでそうなるんだよ。……それに襲ったの、絶対お前だろ?」
「む? 襲ったのではない。お仕置きをしたのだ! ……そう言えば、処女だったな」
「そんな事は聞いとらん」
ユーリはため息を吐きながらそう言う。
ランスは、ついさっきまでその行為をしており、その時の事を思い出していた様だ。
「はぁ、一応城内なんだし、目立つ事は避けた方がイイぞ? 兵隊共に目をつけられたら面倒だろ?」
「がははは! もう他にも美味しくいただいたからな。少しくらいは我慢してやろう」
「はぁ……」
「ま、ガキにはわからん。アキちゃんにユキちゃん。ぐふふ、良かったぞ? ああ、勿論葉月ちゃんもな!」
「はいはい」
ユーリは再びため息をつき、先へと向かったその時だ。
城の廊下を一匹の鼠が横切った。如何に綺麗にしてあるとは言え、しょうがないと言えばしょうがないが、ランスが注目したのは何かを咥えていると言う事。
殆ど一瞬だったが、正確にランスはそれが何かを捉えていた。白い布を……。
「おっ! あれは女物のパンティーではないか! つまりは、この部屋に女がいると言う事だな!? がはは! 突撃〜〜!」
「何やってんだ馬鹿! と言うか、さっき言ったばっかだろ。城内で怪しい行動すんなって!」
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