第1章 光をもとめて
第5話 桃色の巨凶
[14/14]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
「本当に、彼女は何者……、なんだ」
ユーリの疑問に答えてくれる人はそこには誰もいなかった。
〜リーザス城 客間〜
丁度同刻。
その少女は椅子に座りって愛しの彼の帰りを待っていた。彼は今、彼女の為に食事を買いに出かけている。なんでも≪はんばーがー≫と≪ふらいどぽてと≫を買いに言っているとか。
「うーん。お腹へった……。健太郎君、遅いな〜」
誰もいない。話し相手もいないから退屈なのだ。
そんな少女の頭に浮かぶのは先ほど押しかけた2人の男。突然、胸を触られたり、スカートを捲られた、大きい男の方じゃなく、一歩離れて黙って見てた男の事。
「あの男の子……、見たことない子、なんだけど……。なんだろう、すごく気になるなぁ……。あのコは1人のはず……なのに、あのおじさんを含めても2人なのに、なんで? もう1人、誰かいたような……。 あはっ それにしてもなんだか可愛い子だったな。きっと歳下だよね?」
ユーリが考えている事とは対極といって良い程楽観的な考え。そしてユーリの容姿もばっちり見られちゃってるから、歳下と思われているようだ。
……彼の何が気になるのかは、彼女にも、誰にもわからない事だった。
ただ、何かを感じるんだ。もう1人何かが……と。こんな身体になったからなのだろうか。
「あー……そうだ。そろそろここからも離れなきゃ駄目かな? お料理も美味しいし、この国好きだったんだけど……、健太郎君が帰ってきたら相談しないとっ!」
事情によって、長く同じ場所には留まれないのだ。だから……、移動を続けなければならない。留まる事が出来ない。
ただ……なりたくないから。
「あーあ……、何で私なんだろう。……私は魔王なんてなりたくないのに。何で来るの……」
彼女の正体は 【魔王リトルプリンセス】
この世界では、絶対悪と称される者。
まだ、拒み続けているが、ユーリが感じた邪悪を具現化した気配と証したのは間違いではなかった。
その正体を知るのはまだまだ先の未来。正体を知るその時。
《もうひとつ存在の正体》にも、魔王、いや 彼女は気づくだろう。
その場で相対するの絶対正義と絶対悪。
予め決められ定められた存在同士の戦の中心で正体を明かされる存在。
その存在が問う。真の悪とはなんなのか?悪と正義の境界線とは……?
始まりはなんだったのか?
それを考え出し、己の答えを導き出したその時に…… 、全ては始まる。……かもしれない。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ