第1章 光をもとめて
第5話 桃色の巨凶
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きた。
「っ!!」
「うぉっ!!」
正面衝突をした2人はそのまま部屋の外まですっ飛ばされてしまった。
その巨大な壁をイメージした時、一瞬≪死≫を意識してしまう程の巨凶を凶悪な何かを孕んでいた。ユーリは反射的に自身の身体に手を当て確認する。
四肢が潰れていないか? 何処にも以上が無いか?と
どうやら、何処にも異常は無いようだ。なのに、あのイメージはなんだったのか。ランスも何が起こったのか解らないようだ。 軽く頭を振って……。
「いってて……、なんだぁ? 今のは」
「ランス。そのコは襲わない方が良い。これ以上は遊びでは済まなくなる可能性があるぞ」
「なにをーー! オレ様が抱くと言えば抱くのだ! それに、遊びのつもりなぞない! 負けんぞ〜〜! とーー!!」
ランスはユーリの忠告に耳を貸さないようで、再び少女に飛び掛った。ランスが勢いよく振り上げた手は、正確に少女のスカートを捲り、その下着があらわになる。
ランスは、ラッキー! 程度にしか思っていなかったが、再び凶悪な何かが迫る。
「だいっきらい!!」
少女の拒絶の言葉。それが具現化して、ランスに迫る。
「ぬごーーーっ!!」
……再び吹き飛ばされてしまい、最後にはバタンっ!と扉を固く閉められてしまった。いや、それでよかった。
「ぐぬぬぬ……」
「だから言っただろうが……。命あってよかったな」
ユーリはそう言う。命、と言う言葉のそれは決して冗談の類ではない。ランスもその事には何処か、気づいていたようで、悪態をつきつつも彼女の事は今は諦めると言って素直に後についてきた。
神の顔も三度までだ。
そうと言う言葉があるように、これ以上何かをすればどうなるのか……、解らない。いや、彼女は神とは真逆の存在としか思えない。
(………)
ユーリの表情が険しくなっていったと同時に。
“きぃぃぃぃぃぃ………。”
再び世界は時間を止める。
(ん?)
ランスは違和感を覚えた。それは身体が動かないからだ。全く動かない、話すことも出来ず、視線も動かす事が出来ない。ただただ、見る事しか出来ない。
(なんじゃあ、こりゃあ!!)
だからこそ、ランスであっても 混乱してしまうのも無理は無いだろう。
『……まさか、こんな所で こちら側の世界で、こんな大物に出くわすとは、な』
そんな世界で声だけが聞こえてきた。だが、誰かを確認する事が出来ない。声の位置的には自分の直ぐ傍だ。
(誰だ! 下僕1号か?? なわけないか! おいコラ! 誰だ!! 何をするっ!)
ランスは、確認をするために振り向こうとするが……、まるで自由が利かない。
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