第1章 光をもとめて
第5話 桃色の巨凶
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ユーリが引きとめようとするが空振りに終わる。
今はコロシアムやカジノと違って、リーザス城内だ。ここ一番のランスの行動力とその素早さは光るものがあるが、如何せん内容が内容だ。そして今は潜入中といっても差し支えない状況。
今更少しは自重してもらいたいものだとユーリは思っていたが……。次の瞬間にはその思いは吹き飛ぶ事になる。
ユーリが続けて入った先には少女がいた。
桃色の長い髪の少女。
「え…? 誰? 健太郎くん? あ、違った。」
「おおっ! 中々の美少女では無いか! 久々の90点越えだ」
「………」
この状況ならランスは一目散に少女を犯そうとするだろう。
だが、その未来はどうしても見られない。
目の前にいるのはどう見ても年端のいかない幼さの残る少女。なのに何故だろうか?その身に潜んでいるような荘厳たる気配を強く感じるのだ。
凡そ理解しがたいモノを内に秘めているとでも言うのだろうか?
ユーリはこの瞬間、1秒にも満たない時間だったが、思考が纏まらなかった。
その間にランスは行動に移すようだ。
「がははっ! 見れば見る程美少女では無いか! オレ様とセックスをしようではないか!」
「え? やだよっ! そう言うのは恋人にするものだよ。私には健太郎くんがいるもんっ!……あ、健太郎くん知らない? おじさん」
「ぐほぅっ!!」
純粋無垢な少女の一言は、ランスの胸の中に強烈な一撃を見舞っていた。だが、直ぐに立ち上がる。
「コラ、誰がおじさんだ、馬鹿者! まだまだ油のたっぷりと乗った十代だぞ!」
「……」
ランスはユーリの事にまるで気づいていない。
これまでの経緯で、彼がここまで戸惑いを見せ、表情を強張らせる事は無かったのに、見ていなかったのが、致命的……。まぁ、ランスなら見てても行動は変わらないだろうけれど。
「失礼な娘にはお仕置きが必要だな〜〜!! とーー!」
「きゃぁ!」
ランスはこれまでどおりに飛び掛った。
……文字通り、ジャンプ!しながら娘に覆いかぶさったのだ。
そして、少女の胸を弄る。
その行為は彼女の顔を一気に赤く染めさせた。
そして、羞恥からくる怒気でランスをきっ!と睨みつける。
「っっ!! あの馬鹿っ!!」
気を取り戻した時には既に遅い。
まるで、邪悪を具現化したかの様なオーラが少女の背後に見えた。黒く燃え上がる炎。そして、その瞳は赤く染まっていた。熱いのか、寒いのかさえわからない炎が少女の背後に揺らめいた瞬間。
「この、えっちーーっ! 何するのっ!!」
その叫びと共に、何かが現れた。
形容するとすれば、巨大な動く壁。そして、恐ろしく早いそれは突風の如き速度で2人に迫って
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