飛鳥-ダイナ-
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ことか。だから余計に甘えたくなる。
「平賀君、お願いがあるけど…いい?そろそろシエスタさんがご飯持ってくるんだけど…一緒に食べよ?」
「あ、まだ?」
驚きだった。これまでサイトは地球にいた頃から別段モテたことがなかったし、まして女子と一緒にご飯を食べようと言われることはなかった。ルイズとは食堂で一緒に食事をとったことはあるが、あれは床の上にパンと不味いスープだったのでノーカウント。シエスタの場合はご飯を恵んでもらっただけで一緒に食べてまではいない。妖精亭で働いていた時も一人で食べていた。一度はあそこでさらにモテモテぶりに拍車がかかったと思われたが、直後のスカロンからの熱い接吻地獄のせいでしばらく精神的に追い詰められ、ふさぎ込んでいたため…サイトを狙った妖精さんたちはタイミングを逃したとか。
「体調崩してて食欲なかったけど、平賀君も一緒だともっとおいしく食べられそうだけど…いや?」
「そ、そんなことないって!寧ろ光栄であります!」
あからさまにサイトに甘えているハルナに、ルイズはさらにいらだちを募らせる。一方で美少女からのお誘いには断れないサイトは思わず敬礼してしまう。我慢ならず、一言彼女に言った。すると、シエスタが台車にスープとサラダなどの料理を運んで部屋を訪ねてきた。
「サイトさん、ハルナさん、ご飯をお持ちしました」
「お、いつもありがとなシエスタ」
「いえいえ」
愛嬌溢れる笑顔でサイトと接してくるシエスタだが、この時の彼女の心中は、渦を巻いていた。その原因はというと、言わずともわかるかもしれないが、やはりハルナの存在である。いくら昔馴染み同士の関係とはいえ、惚れた男が別の女にうつつを抜かしている姿は面白いものではない。
それに、ルイズとシエスタはあることに気が付いていた。
皆は疑問に思わないだろうか。ハルナが熱を出してから、だいぶ日数が経過している。重い病気ならまだしも、環境の変化程度での発熱が数日も続くものなのか。
(顔色が発熱した時と比べて俄然いい。やっぱりハルナさんは…)
実をいうと…結論から言って、ハルナの熱はすでにおさまっていたのだ。
要は、『仮病』である。
ならなぜサイトからの看病を受け続けているのか。理由などたやすい。サイトに甘えたいのだ。その根源にある思いに関しては共感を覚えるが、だからといっていつまでもいちゃつかれるとたまったもんじゃない。
この危機を脱するため、密かにルイズとシエスタは同盟を結んでいた。ルイズが一度サイトのハルナへの甘やかしに近い看病と対応に、ついにルイズが怒ってしまい、それを見かねたシエスタがサイトたちには内緒で同盟を持ちかけたのである。
(なんとか手を打たなければなりませんね、ミス・ヴァリエール)
(ええ…)
自分たちをよそに、シエスタが運んできた食事を食べている二人は、傍
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