受難‐サクリファイス‐part2/ネクサスVSゼットン
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宇宙空間で、ゼットンを乗せた宇宙船と、それを狙った別の星人の宇宙船の交戦場所だったところに、一つの白い光が飛来した。周囲には何も残っていない。あるのは、宇宙船の残骸と思われる瓦礫だけ。
白い光には人間と同じ自我があった。そして同時に、宇宙を荒らす愚かな存在が未だに暴れていることに不満と怒りを覚える。
こんなことしなくたって、自分の星を発展させる道は腐るほどあるはずなのに。
とはいえ、苛立っても始まらない。光は、その地点から見える一つの惑星を発見した。
二つの月に囲まれた、地球とよく似た青い星。
(円盤が落ちたのは…あそこか…!行くぜ!)
白い発光体は大気圏に突入、まっすぐ地上へと向かう。その向かう先は、ハルケギニアの空に浮かぶ、一つの浮遊大陸だった。
ヘンリーは早馬のごとく竜を駆り、直ちにアルビオン軍駐在基地のサウスゴータ支部にたどり着く。基地の庭に飛来し前触れ無く到着した負傷兵を見て、ざわつき始めるアルビオン兵たち。
「で、伝令!怪獣が出現しました!」
「怪獣!?どういうことだ?怪獣は…」
「いえ、今回の怪獣は我らの戦力範囲外の個体です!部隊は壊滅し、この街に向かって接近中!」
傷の痛みをこらえながら、応対してきた兵に対してヘンリーが大声で喚く。怪獣の接近と部隊の壊滅を聞き、直ちにサウスゴータに駐在しているアルビオン軍は対ゼットン討伐部隊が編成され、出撃した。
それを、メンヌヴィルが不敵な笑みを浮かべながら見ていた。遠くから迫り着ているゼットン。長年の戦闘経験で鍛えられた勘ですぐにわかった。
あの怪獣が、自分も殺しがいのあるほどの強敵だ。それほどの敵が現れたのなら、必ず彼は…『ウルトラマン』は現れる。
わかる…奴は、すでに近くにいる!!
肌で強敵の存在を察したメンヌヴィルは、その歪みきった笑みと高揚感を抑えきれない。その視線の先に、今度はシュウたちが留まっている街、シティオブサウスゴータが見えた。
その頃。シティオブサウスゴータの宿の食堂はお客でにぎわっていた。
「「………」」
あの後、シュウは口を利かなかった。テファもシュウへ言葉をかけることはなかった。
気まずい雰囲気が二人の間に漂う。村でシュウの正体を知ったのは現時点でマチルダ、サム、そして今はエルフであることを隠すため帽子を着用しているテファの三人だけと言うこともあり、子供たちの様子は変わっていない…とは言いにくかった。二人の間に漂う重い空気が子供たちにも伝わっていた。
「……ひそひそ(ねぇ…どうして兄ちゃんと姉ちゃん、口を利こうとしないの?)」
「…ひそひそ(そんなの僕に言われても…そもそも兄ちゃん口数多くないし」
サマンサが不思議に思って、小声でジムに問うてみても、問われた側のジムには答えが無い。
(せめてこの街を出る前に、この重い空
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