受難‐サクリファイス‐part2/ネクサスVSゼットン
[8/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を狙ってきていやがる!だとすると、こいつは村を襲った奴の仲間…!)
マチルダは久しぶりに現実を呪いたくなった。憎悪で満たしたくなるほどに。
自分も、テファも、そしてシュウも、子供たちも…なぜこうも嫌な現実と遭遇する羽目になるのだ。これが始祖のお導きだと言うのなら、一体始祖は何を考えているのだと。
メンヌヴィルは再びネクサスの方を見て呟いた。
「…あの怪獣が相手なら、おそらく巨人は勝てないだろうな」
「え…!?」
なんて奴だ。今まで戦ってきた奴は、パンチ一発でも痛みを覚えるくらいの反応はしていたが、こいつはなんだ。まるで機械のようにノーリアクション過ぎる。
ゼットンが静かにこちらに歩いてくる。ネクサスは身をかがめた状態で光刃〈パーティクルフェザー〉を飛ばした。
「シュワ!」
しかし、ゼットンに光刃は届かなかった。瞬時に発生したゼットンのバリアによってカキン!と金属音を立てて、光刃は砕けた。このバリアが、アルビオンのメイジたちの魔法をことごとく跳ね返したのだ。しかも、魔法だけじゃない。ウルトラマンの光刃さえも通さないほどのバリアだ。
だが、驚くのはまだ早かった。
「prororororo…」
瞬間、ゼットンの姿が消えた。
「!?」
ネクサスは驚いて辺りを見渡した。しかし、奴の姿はどこにも見当たらない。跡形もなく消え失せている。だったら!ネクサスは辺りを見渡している間に、両腕のアームドネクサスを合わせる。そして右腕を天に向けてかざしメタフィールドを展開しようとする。
しかしその時だった。そうはさせまいと、どこからか放たれた背中に向けて数発の光弾が直撃する。
「グゥ…!!?」
モロに喰らってしまい、メタフィールド展開を妨害されたネクサスは膝を着く。やはりゼットンは背後に立っていた。しかし、再び奴は姿を消す。ナナフシが木の幹の模様に化けるのと同じ擬態能力か、それとも瞬間移動なのか。しかし消えている間は奴の気配さえも消えていた。
耳を済ませろ…奴は必ずこっちに攻撃を仕掛けるはずだ。
「!」
ネクサスはとっさに右にステップした。その直後に、彼の背後だった方角から光弾が二発飛んできた。やはり背後を取るつもりで姿を消していたのだ。攻撃パターンさえ分かれば回避することなど造作もない。
ネクサスは振り向きざまに、右腕のアームドネクサスから光の剣を伸ばしに伸ばし、ゼットンの体を上下半身二つに分けてやろうと、横一直線に剣を振った。
〈シュトロームスラッシュ!!〉
「ディアアアアアアア!!」
しかし…カキィン!!
「ウ!!?」
ネクサスは、息を詰まらせた。この剣は、ビーストをたやすく一刀両断できるほどの威力を秘めているはずだ。だが、この一太刀でさえも、ゼットンのバリアを破ることができなかったのだ。
「グウゥゥゥゥゥ………」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ