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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
受難‐サクリファイス‐part2/ネクサスVSゼットン
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ァは、こらえきれずついに泣きだした。ぐずっては涙を流すテファを見て、マチルダは何が正しくて、何が間違っているのか。考えるほどに訳がわからなくなっていく。テファのことは自分の命を含めた何にも代えがたいほど大事な存在だ。だから彼女の、シュウには自分を大切にしろと言うことを聞いて欲しかったが、シュウにもまた意思がある。
シュウが持っている、ウルトラマンとして、使い魔として主や人々を守らなければならないという意思。テファの、無理に故郷から引き剥がす形で使い魔にしたシュウへの罪悪感と、無理をしないで欲しいと願う優しさ。
本来は強固な信頼と絆の元に結ばれるという使い魔と主だが、この二人の場合だとそうとは限らないのではと思う。テファは過去のこともあるし、性格上争いを好まない。シュウも、戦いを通して誰かを守りたいという意思がある以上、戦いそのものはよしとはしていないはず。
だが、今は磁石のように反発し合っている。それは、今の二人にとって合ってはならない状況。
(やはり、テファが考えていた通りシュウを引き止めるべきだったか…?)
自分も自分で、テファほどじゃないにせよ甘いかもしれない。普通ならあんな死にたがりじみた奴など放っておくかもしれないが、それができないマチルダは自分もまた甘さを抱く人間なのだろうと自分を見定めた。
「…わかった。そろそろあたしもあいつの死にたがりっぷりには頭が痛くなってたからね」
「姉さん…!」
テファは涙いっぱいになるあまり赤くなった目で見つめながら、姉の顔を見上げた。
「でも、実際あいつが戦わないと、この危機を脱することはできない。それはわかる?」
「……」
テファは、その問いに対して無言だった。認めたくはないのだろう。シュウがウルトラマンとなって戦わなければならない、つまり犠牲駒にならないといけないということに。
「大丈夫、あたしが見に行っておく。その間は、安全なところまでチビたちを連れて…」
せめて自分が様子を見に行って、危なかったらすぐに助けに入っておこう。テファを安心させるためにもそう決めた、そのときだった。自分たちが泊まっていた宿から誰かが転がり出てきた。
「サム!」
「…ぐ…」
転がり出た、というより店の中から誰かに殴り飛ばされてきたというべきだったかもしれない。飛び出してきたサムは地面を転がり、そのまま反対側の建物の壁に背中を打ちつけた。直ちに彼の元へ駆け寄るテファとマチルダ。
「サム兄!」
すると、他の子供たちがサムを追って宿の中から飛び出し駆け寄ってくる。
「余所見をするとは関心せんな」
すると、子供たちの跡で宿の中から人影…それも大きい体の男が姿を見せた。
「だからこんな状況に陥る。そう思わんか?…『土くれのフーケ』」
「あんた…!!」
その男は、メンヌヴィルだった。
よりによって
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