受難‐サクリファイス‐part2/ネクサスVSゼットン
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で懐からエボルトラスターを取り出したそのときだった。がしっと、シュウは右腕を瞬間的に握られた。
「シュウ、行かないで!!」
悲痛な表情を浮かべるテファが引き止めてきたのだ。マチルダの姿もその後ろに見える。子供たちは、外に出るなと念を押されたのか姿を見せていないが、窓や扉からこちらを覗き見ている。
また彼が、それも今回は目の前で戦いに行こうとしている。すでにテファに正体がバレた。同時に彼女は、時折見てきた謎のヴィジョン…銀色の巨人と怪物、又は黒い巨人の戦いの景色の意味を理解してしまった。そして、たとえ個で強大な力を持つウルトラマンでも必ず余裕で勝てるわけではなかったことも、故に命の危険と隣り合わせであることもわかってしまった。だが…。
―――俺がここで戦わなかったら…彼らはどうなる?
―――ティファニアたちも無事では済まないじゃないか
シュウはすぐにテファから目を背け、彼女の手を下ろさせた。
「…俺が行かなかったら、誰が奴を止めるんだ?」
「でも…だからって…メイジがあんなに集まっても勝てないのに!」
「……」
これがテファの優しさなのは理解できる。もしかしたら、今度の戦いではやはりやられてしまうかもしれない。それでも…。
いくら肉親を殺された、友達と思っている珍獣とも生き別れたという過去があっても、テファにとって戦いの世界など理解できるはずがない世界。1秒でも立ち止まってしまえばその分だけ犠牲が増えるという現実がここにあるのだ。
「マチルダさん」
シュウはマチルダを見る。彼の目を見て、マチルダはその瞳の奥の意思を汲み取る。
「…行くんだね?」
「はい。どのみちあいつが暴れたままじゃ、俺たちはこの大陸から脱出できない。確実に狙われる。だから、行きます」
「シュウ!」
行く、と発言したシュウにテファは行くなといおうとしたが、マチルダが彼女の前に立ち、彼にただ一言言った。
「…死ぬんじゃないよ?」
行くのは勝手だ。だが、その責任は自分で負え。遠まわしにそう言っているのかもしれない。生き残れるかどうかの保障はできない。だから、シュウは最後のマチルダからの問いかけに対しては無言だった。シュウは背を向け、ゼットンとアルビオン兵の交戦地点に向けて走り出した。
シュウは、ついにゼットンとアルビオン軍の交戦地にたどり着いた。
さっきから攻撃が一切通じない。そのせいもあって全く反撃することもできず、すっかりアルビオンの兵たちは指揮が底に落ちていた。そして居間は、あちこちにゼットンの返り討ちで死んでいった竜騎士や彼らを乗せていた竜の死体が、壊れた建物に突っ込んでいたり、地面の上に転がっていた。
「こいつは酷いッスね」
地下水…いまだに名前が違和感の塊でしかないが、ナイフがシティオブサウスゴータの状況と兵たちの被害状
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