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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
受難‐サクリファイス‐part2/ネクサスVSゼットン
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顔を創造すると心が満たされるような感覚があったのだから。
「さて…一つチャンスをやろう。俺に従い、レコンキスタへの帰順を誓え。そうすれば俺はあの怪獣を捕獲しお前たちを助けてやる。お互い困るだろう?あの男が死ぬのはな」
シェフィールドからの今回の依頼であるゼットンの回収、レコンキスタの目的達成体のために必須な、虚無の担い手テファと使い魔であるシュウの回収。そして自らの闘争本能を満たすためのシュウへの執着。そしてテファたちのシュウの存命を願う心。それらを互いに満たすための誘い。しかしそのためには、自分たちがレコンキスタ…怪獣を用いてハルケギニアを荒らそうとする組織に入らなければならないという、なんとも嫌な取引だった。
「…人質にしようとは、考えないのかい?」
「奴に人質作戦など無意味なものだ。それに、そんな手を使っては戦いを楽しめないだろう?俺はただ、いつでも楽しい戦いができる奴が、殺した時の焼け焦げた臭いの嗅ぎ甲斐のあるが欲しいんだ。逃げられんよう、できれば手元に奴を置いておきたいのだよ」
マチルダの、姑息ながらも人質作戦と言う最もな意見を取り入れなかったことを指摘したことに対し、メンヌヴィルは嫌な笑みを浮かべたまま首を横に振った。恐らく、ネクサスの技に人質救出用の光線技があることも知っているのだ。
(狂ってる…)
一方で、マチルダを汚れているとは言うが、こいつはその非ではない。正気でありながら明らかに狂気に侵されている。強敵と戦いたい、そして焼き殺した後の臭いを嗅ぎたがっている。人間と言うよりも、人間の皮を被った怪物だ。
「エルフの小娘、お前もどうだ?俺たちと一緒に落ちてしまった方が楽しいぞ?伝説の虚無に目覚めているそうじゃないか。だったらその力で楽しまなければ損だぞ?」
「い、いらないことをこの子に教えてんじゃないよ!!」
「貴様には聞いていないが…どうせこの世は汚れものだらけだ。一度汚れきっておいて、今更綺麗好きを気取る意味があるんだ?土くれ」
にんまりと笑うメンヌヴィルに対する嫌悪感と、自身のうしろめたい部分を指摘され、言葉がでなくなるマチルダ。テファは優しいから、シュウを呼び出したケースと同様、自分のために姉が盗賊と言う手を汚す仕事をこなしていることに罪悪感を抱くことを考えられる。いや、自分の今の存在はテファや子供たちを支えることにある。テファが罪悪感を抱くそれ以上に、彼女が自分の存在そのものを拒絶されてしまうことが、何よりも怖かった。そして今回、あの男にばらされてしまった。拒絶されてもおかしくはない…。
「違う」
ふと、テファが顔を上げてメンヌヴィルをまっすぐ見た。その瞳には恐怖こそあったかもしれないが、それ以上にもっと別の、強大な敵に果敢に立ち向かおうとする意思があった。
「姉さんは、薄汚くなんかない」
「なんだと?
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