受難‐サクリファイス‐part1/襲来!最強怪獣
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あなた、女の部屋に入るならノックぐらいして入ってきたらどうなの?」
「貴族時代に培っていた常識などとうに捨てたわ」
入ってきたのは、ダークメフィストの暗黒適能者、メンヌヴィルだった。
「ところで…何?怪我が治ったのかしら?」
「ああ、もう一度奴にちょっかいを出してみたくてな」
「奴…ね」
この男が言う、奴とは間違いなく、自分が最も危険視している男、シュウに他ならない。
「そうしてくれるのはいいけど、前のようなヘマはしないかしら?」
「さて、な。寧ろこちらを追い込むほどの奴の方が、殺りがいがある」
「理解できないわね…」
自分は戦いを楽しむバトルジャンキーじゃない。いや、この男の場合はバイオレンスジャンキーと言うべきだろう。この男とは心底そりが合う気がしない。もっともシェフィールドに限った話ではないだろう。人間ならたとえ悪党に身をやつした奴でも、この男のまともじゃない思考は許容できない。
「まぁいいわ。それより、ご希望通り奴を追うことを命じましょう」
「ふ、そうこなくては」
「けど、おそらく虚無の担い手も傍にいるわ。その少女だけは殺さないようにして頂戴」
「可能だったらな」
「可能だろうが不可能だろうが絶対によ。それだけは念頭に置きなさい」
この男なら、一時の過ち程度のために命令違反することなど当たり前の領域かもしれない。だからこそ念を押しておかなければ。
「ご主人様が望んでおられる以上手に入れる。それだけよ。私個人としても、研究対象として虚無やウルトラの力にも興味がある。だからなんとしても手に入れたいのよ」
「やれやれ、ずいぶん虚無とやらにご執心だな」
「今、言ったでしょう?ご主人様が求めていらっしゃるのだから」
「俺は、人が焼け死に、恐怖する様さえ見れるのなら構わんがな」
「……」
シェフィールドはやはりこの男とはそりが合わないとはっきり思った。
「それはそうと、あなたの用をまだ聞いてなかったわね」
「ああ、そのことだが…うちの大陸に何かが落ちてきているようだ」
「このアルビオン大陸に?流れ星でも落ちてくるというのかしら?」
「流れ星などで俺が来ると思うか?」
確かに、とシェフィールドは納得する。この男はバイオレンスジャンキーなだけあって、戦いとか殺戮、強敵といったものにか極度に過敏だ。だとすると、何か強大なものが落ちてきた、と考えるべきかもしれない。
「落下予測地点に向かってきて頂戴。もし少しでも私が目にかけられそうなものがあったら回収をお願いするわ」
アルビオンはレコンキスタがその実権を握ってからは、秘密と言うものが多く、そして厚くなっていた。
この大陸のある場所には、以前クロムウェルの案内でワルドが見学をした、秘密の実験場が複数存在している。その実験場は地下に建設され、このハルケギニ
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