受難‐サクリファイス‐part1/襲来!最強怪獣
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は、今度は奴らから足を取られてしまうのではないか?』
「そ、そうですわね…申し訳ありません」
『よい。俺の身を案じてのことだろう。それなら構わん。さて、現状はどうなっているかを聞いておこう』
「はい。現在、トリステイン攻略などに利用できそうな怪獣の養殖を進めております。すでにトリステインの貴族の中で我々の味方に引き入れることが可能と見た者たちに、怪獣を大金で売り、内部崩壊を誘い、虚無とトリステインをあなた様に…」
このシェフィールドと言う女、トリステインにすでに仕込みを進めていたようだ。おそらく、以前アンタレスを使って街を荒させたチュレンヌもその一人だったのかもしれない。
すると、彼女の主は一つあることを伝えてきた。
『ふむ…ミューズよ、お前に言わねばならんことがある。どうやら、虚無を狙っているのは我らだけではなさそうだ』
「え…?」
『おそらくお前は同じハルケギニアのものだと思っているようだが、それだけではない。宇宙からもすでに、この星、そして虚無に目をつけたものがいたようだ』
「なんですって…?」
それを聞いてシェフィールドは目を細める。
『おそらくタルブの戦いで、トリステインの虚無が覚醒、怪獣さえも撃退した情報が宇宙にも漏れていたのだろうな。とはいえ、その発端もまた、噂のトリステイン魔法学院襲撃の一件も関係があるやもしれん』
「ちぃ…」
自分たちの狙いは虚無。だが、いずれこの世界に立て続けに現れる宇宙からの侵略者も虚無の担い手を狙ってくる。それはつまり自分の主にも、自分たちが狙っている担い手たちにも及ぶのは間違いなく、邪魔者が増えたことにシェフィールドは不快感を覚える。それにしても、風の噂なのか、トリステイン魔法学院襲撃事件のことも知られていたようだ。
『かの者たちと我らの協力者たちがぶつかり合う様…そして宇宙からの乱入者。
…くく、楽しみではないか。果たして彼らが、このハルケギニアの空をどのような色に染めるか…そして俺の心をどこまで満たしてくれるのか…』
「…」
『ミューズ、もしも宇宙からの来訪者が来た場合、処理はお前に任せよう。ただ殺すだけなのはもったいない。「彼ら」のように協力的かつ優秀な者もいるのだからな』
「…はい、了解しました」
『では、頼むぞ』
彼女の主との会話は、そこで途切れた。通信機などは使っていないが、とにかく頭の中で回線が切れたような感覚がある。
主は、とにかく『楽しむ』ことに関して執着的だ。そしてシェフィールドにとって主は絶対の存在にして敬愛すべき存在。故に、彼女は主の遊び心が過ぎて自分たちにとって悪い夢が現実となることを恐れていた。
そのとき、突如足音が寛恕のすぐ傍まで響いてきた。シェフィールドは一瞬警戒心を研ぎ澄ませたが、直後にその気配の正体を知って呆れ口調で声を漏らした。
「…
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