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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
受難‐サクリファイス‐part1/襲来!最強怪獣
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平穏で暖かな日々を過ごせたら、死の世界を見ることもないし自分が痛みを覚えることもきっと無いかもしれない。
二人の優しさがとても心地が良くて引き込まれそうになる。
だが…。
「駄目だ…それはできない」
「シュウ…!!」
シュウはテファからの誘いを断った。彼の返答にテファは思わず声を上げるが、かまわず彼は続ける。
「俺が戦いから逃げるってことは、その分だけ誰かが犠牲になる。
ビーストは倒さなければならない。それが、俺が生まれた理由であり、ナイトレイダーになった理由でもあり、そして…ウルトラマンの光を授かった理由だ。
お前の使い魔をしないつもりじゃないが、そのままでいることはできない」
シュウは、戦うことこそが自分の存在理由だと定義付けていた。それを奪うことは、自分が存在する意味さえも消えうせると主張する。だが、戦いを知らないし性格上好きになる見込みなど到底無いテファにとって、そんな話は理解しようにも不可能だ。
「可哀想だよ…そんなの」
「何が」
「あなたのことよ。私たちが思っている以上に苦しんでるのに…本当なら私たちのことも、
恨んでも仕方ないのに、私の使い魔であることも受け入れて、他の誰かのために戦って、自分から自由を捨ててる…そんなのおかしいよ。だから…ね?」
もういいの。優しく言葉をかけて、テファはシュウに戦うことを思いとどまらせようとした。ここで引き止めなければならない。
夢の中で見たヴィジョンが、ずっと頭から離れないのだ。夢の中でシュウが炎の中に包まれると同時に現れた、あの黒い巨人を思い出してしまう。
だがその一方で…。

――――ジューーーン!

戦場の爆発の中へ消えた現地の人々やその中でも特に存在が強かった少女。

――――シュウ、ごめんね…

雨の中、自分の腕の中で目覚めぬ眠りに着いた少女。
シュウの記憶に刻まれた二つのトラウマがその度に蘇る。

―――――私はお前の影

―――――俺と同じ血の臭いがな

ファウストとメフィストの言葉もまた蘇ってシュウの心に立ち込める暗い影を漂わせる。
「……俺に…俺にウルトラマンになるなと?」
彼の声が、まるで嵐の前の静けさのごとく、異様に低くなる。触れては鳴らないものに触れられてしまったのか、彼は次の瞬間、驚くほどに声を荒げた。
「俺が戦うことで救われるはずの人を見捨てて、目を背け続けてのうのうと身勝手に生きろと!!?お前はそう言うのか!!」
その気迫に圧されないわけがない…はずだった。テファはぐっと顔をこわばらせつつも耐えると、逆にシュウに向かって怒鳴り返した。
「…ッ!自分を大切にしろって言ってるの!他の誰かを助ける前に、自分を大事にしてよ!自分を大切にできない人に…何が守れるって言うの…!!」
「…!」
テファの言い返しに、シュ
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