受難‐サクリファイス‐part1/襲来!最強怪獣
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アからみればオーバーテクノロジー級の環境が整えられている。
ここで作られているものといえば、やはり…。
「いつみてもデカいな、こいつら」
地下何十階もの深さに作り出された実験場には、いくつもの巨大な円柱型のカプセルが設置されている。そしてその中には、液体に浸された怪獣たちが保管されていた。
「見ているだけでも、正直ぶるって来るよな。トロルの比じゃねえ」
看守のひそひそとした会話が聞こえる。自分たちの所属が現在レコンキスタ。つまりこの怪獣たちは戦争のために生み出された兵器であり、彼らレコンキスタ兵の味方と言える。しかし、レコンキスタの目的はもはや戦争と言うより、ハルケギニア全土に向けた外宇宙からの挑戦に近づいていた。
「これなら俺たちの軍が最後の勝ち組になるのも夢じゃないよな」
「何言ってやがる。タルブでの敗戦のことを忘れたのか?」
どんな存在にせよ、自分たちに強力な味方がいるということに、一人の看守がうきうきしているが、もう一人がそんな彼を諌める。
「それに、本当にこれでいいのか?こんな化け物どもを使ってでも、俺たちは聖地の奪還なんてする必要あるのか?」
その兵士は自分の軍に強い疑問を抱きつつあった。ハルケギニアでは到底作れそうにない兵器に改造された、現在はトリステインに奪われたレキシントン号にジャンバード。突如トロル鬼やオーク鬼に代わる自分たちの生物兵器としての怪獣たち。それを使ってでもハルケギニアを統一させ、エルフに奪われたとされる聖地を奪還することに、どんな意味があるのだろうと疑惑する。これは彼だけに限った話じゃないが、レコンキスタはいまやシェフィールドとその主の掌に踊らされている、傀儡も同然の組織。そうとも知らずただ自分たちが戦争で稼ぐこと、手柄を立てて栄誉を得ることに頭を持って行っている者たちが上を占めていたために、疑問を抱く者たちの声は決して届かない。
「それこそ愚問じゃねえか。こいつらが束になりゃ、あの得体の知れない巨人どもなんざ敵じゃねえよ。ウルトラマンだかなんだか知らねえが、正義の味方面して、俺たちの出世の邪魔しやがって…」
どうやらこの兵士、レコンキスタの邪魔になっているウルトラマンに対して不快感を抱いているようだ。無理も無いかもしれない。自分たちはレコンキスタにつくことで勝利を勝ち取れるとばかり思っていたし、それが正しいことだと信じて疑わない。だが、誰でも自分の目的を邪魔されると不快だし、それが悪と断じられるのも気に入らないものだ。トリステインでは正義の守護神として認知されつつあったウルトラマンだが、レコンキスタからすれば自分たちの邪魔をする得体の知れない巨人でしかない。
「まぁいいさ、クロムウェル様は伝説の虚無の担い手なんだ。こいつらだって思いのままに使役できる。俺たちはレコンキスタの勝利を信じて戦うだけだ」
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