プロローグ
[1/3]
[1]次 最後
俺の名前は『ナハト・ベリアル』。
前世の記憶をもって生まれた悪魔の子供だ。今日で(肉体年齢)七歳になる(精神年齢は三十過ぎ)。
俗にいう転生者というのだろうが、生憎俺は神様に会ってもないしいつ死んだのかさえわからない。
そして何より、俺の記憶が正しければこの世界は『ハイスクールD×D』という死亡フラグが満載の小説・アニメなのだ。
典型的な弱肉強食の世界で、いったい原作で何人の命がなくなったことやら。そう考えると正直言って生きていく自信が無い。
――というわけでもない。
さっき名乗った通り、俺の名字は『ベリアル』。悪魔の中でもそこそこ実力がある悪魔だ。つーか、俺の伯父にあたる人が『ディハウザー・ベリアル』の時点で俺の将来は安泰だろ。だってレーティングゲームの現王者だぜ? 最上級悪魔、つまり魔王クラスの実力者の伯父だぜ? もう俺は何もしなくていいだろ。なんか伯父は子供産む気ないらしいから、俺がベリアル家の次期当主と肩書ではなっているけど、ぶっちゃけ悪魔の寿命は一万年らしいし、俺の出番はこれから五千年ぐらいは無いと思う。
……けど、現実はそう甘くはなかった。
何故か俺は親父の――『お前もディハウザーさんのように、レーティングゲームの王者を目指せ!』という一言により、中国にいる知り合いのおっさんの元へと一年間預けられることになった。
しかしそれだけじゃない! 一年たったら今度は世界を回り、二年後の誕生日に戻ってこいと言われたのだ! つまり、俺がこの家に戻れるのは三年後の今日ってことだ。
正直に言おう――鬼畜すぎるだろォォォオオ!!!!
お前はいったい何を考えているんだ! たしかに俺だって伯父のように強くなりたいが、何で家から放り出してまで強くならなきゃいけねぇんだよ!? つーか中国の知り合いってあれだろ、なんか拳法の達人とかいうあの爺だろ!? 一度会ったことあるから言うけど、アイツほど怖い人間俺は前世でも見たことないぞ!
「あ〜もう嫌だわ〜、マジ萎えるわ〜、なんで誕生日に家から放り出さなければならねぇんだよ……まさか悪魔の駒を今日貰うのも、世界で眷属を探せってことなのか?」
もしそれが本当なら、これ以上ダルイことはねぇぞ。俺としては気楽に探していこうと思っていたのによ! 原作のリアスだって高校三年生の時点で全部そろっていなかったじゃん!
『ナハト様、そろそろお時間です』
近づきてきた使用人がそう言ってきた。
「(き、きやがったぁぁぁぁぁぁぁああ!?!?)」
くそッ! とうとうきやがったかって、もう夜の十一時じゃねぇか! いったいいつまで俺は玄関のソファーで考え込んでいたんだよ!
『お外で皆がお待ちしております』
[1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ