笛吹き、呆れる
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きむしりたくなるのをどうにか我慢する。
え、何?ご主人様に何かあった、っていう理由だけであの女王が動く気なの?それもブッ飛ばす?それ『アンダーウッドごと』ってつくわよね?
「・・・ねえ、百歩、いいえ一億歩くらい譲ってこの内容が本気の文章だったとするわよ?」
「ええ、そこは受け入れていただけると助かります」
「じゃあそうするわ。で、なんでこんなことになってるのよ?」
と、私は回し読みされている手紙とそれを読んだ人間の反応をそれぞれ指さして問う。
「そうですね・・・状況が状況なのでざっくりと説明しますね」
「そうね・・・そうしてもらえるかしら?」
「ではざっくりと。クイーンが今代の奇跡の歌い手、“天歌奏”の大ファンである、という話です」
「・・・は?」
本気で何を言ってるのか分からない。え?あのクイーンが、ご主人様のファン?ご主人様に何かあったら自分で出張ってきちゃうくらいの?
「信じられないかもしれませんが、これは事実です。今、我々のコミュニティでは貴女方がブームのような状態になっておりまして」
「・・・私たちが?」
「ええ。例えばクイーンと私は天歌奏のファンですし、他にも色々と。貴女やユイさんのファンもいらっしゃいますよ」
・・・叫びたい気分なのを、本気で耐える。それで大丈夫なのか、クイーン・ハロウィンは。
「まあとはいえ、クイーンが自らの霊格を落として身分を隠して、クイーンズナイトの誰にも言わずにライブに行くなどということは、今後はやめていただきたいのですが」
「それで大丈夫なの、クイーン・ハロウィンは!?」
耐え切れず、本気で叫んだ。けど仕方ないと思う。だってこれだもの。かつて白夜叉と並ぶほどの魔王だったのに、これなんだもの。本当に何なのよ、箱庭ってのは・・・問題児であるほど強くなるシステムでもあるのかしら?
「あ、今回の戦いが終わったらグッズとサインをいくつか注文してもよろしいでしょうか?」
「・・・ええ。生きて帰れたら、ご主人様も許可してくださると思うわよ。なんなら独占ライブでもなんでもするんじゃないかしら?」
「さ、早く攻略会議を進めましょう」
・・・・・・コイツ、頼りにしていいのかしら?
♪♪♪
「あ・・・奏も来てたんだ」
「春日部さん・・・貴女もこっちに?」
ジャックさんとアーシャさんに謝り、それから案内されて向かうと、僕たちが連れている子たちと同じくらいの年の子供たちと、春日部さんがいた。料理も出ていて、何とも暮らしやすそうな空間になっています。
「どうして奏はここに?」
「あ、その・・・ロロが、勝手に飛び出しちゃったので・・・」
と、僕の後ろに隠れながらロロちゃんが春日部さんに答えた。
「
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