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俺と乞食とその他諸々の日常
二十三話:宿舎と日常
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おまけ〜雷帝さん√〜


「また、他の女にデレデレして…ッ! 私というものがありながらなんですの!」
「ギブギブ! それ以上は俺の右腕が電熱で真っ赤に燃える!」
「全くあなたという人は……」

 ふん、と如何にもご機嫌斜めな様子で顔を逸らすお嬢様にリヒターは軽く痛む右腕を振りながら苦笑いする。
 傍から見ればDVの現場のようであるが自分が悪い事は分かっているので文句は言わない。
 別に彼がドMという事実は存在しない。

「別にデレデレはしていたわけじゃないんだがな」
「周りにいつも女性を侍らしているようにしか見えませんわ」
「まあ、そのせいでお前に嫉妬させているのは悪いとは思っているんだが」
「なっ! べ、別にわたくしは嫉妬なんかしていませんわ! ただ、男性が多くの女性と共にいるのは不純だと思っただけですわ」
「そ、そうか」

 明らかなツンデレ発言に思わず言葉が詰まってしまうリヒターだったがヴィクターはそんなことには気づかない。
 そればかりか鬱憤がたまった居たのか堰を切ったように話し始める。

「大体、あなたは一人暮らしの身で女性を夜遅くに家へ向かえるという行動がおかしいと思わないんですの!?」
「まあ、その通りだが……それだとお前もダメなんじゃないか?」
「わ、わたくしは構いませんのよ! ふ、深い意味はありませんけど」

 ほんのりと頬を染めて顔を逸らす仕草がやけに似合っていて彼は思わずクラリと来てしまう。
 しかし、彼女はそれを話しを真面目に聞いていないと思ってさらに語気を強めて語り続ける。


「そもそも、あなたはわたくしの彼氏なのですから、わたくしだけを見ていればいいんですの! だから…その…わたくしもあなたのことだけを見ていますからッ…」


 彼女は表には出そうとしないが彼にベタ惚れである。まあ、彼女が表に出そうとしないせいでこうしてツンデレ発言となり出てくるのだが。
 さらに誰がどう聞いても彼に惚れているが分かるのは顔を赤らめてモジモジと指を弄んでいることからも明らかだろう。


「お前と付き合えて心底良かったと思うよ」
「当然ですわ。あなたのような男性に付き合ってあげる物好きはわたくしぐらいしかいなんですもの」
「……全くだ」

 彼は彼女のご機嫌を取るために彼女を抱き寄せる。
 彼女は嫌がる声を出すが体は全くというほど動こうとはしていない。
 それどころか彼から離れないようにしているようだ。
 彼はそのことに愛しさを感じながら甘く囁きかける。

「愛しているよ、ヴィクター。それで俺の事は?」
「あなたのことを好きか嫌いかと言われましたら……その嫌いじゃないですわ」
「ありがとうな」

 相変わらず素直じゃないと思いながら彼は彼女の頬に口づけを
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