第十四話
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いけれど」
しかし、その程度の感情であんなふうになるんだろうか? 俺を切り刻んだりするほど、俺のことを憎んでいたのか? ほとんど話したこともないのに……。
俺に対する如月の執拗なまでの破壊衝動については全く理解できていなかったんだ。普通あそこまでやろうなんて思わない、と思う。そんな衝動を抱かせるほどの恨みなんて買ってないはず。……知らない間に人の恨みを買うことは無いなんて言えないけど、あそこまでやられるなんてね。
今度会ったら、まずそれを問いただしたい気持ちは、ある。
それについての解答は得られることはないんだろうけど。
「俺はどうすればいいんだろう? 」
「寄生根を叩き潰す。ただそれだけよ。放っておいたら、アレはわたしを探しだすことに必死になるでしょうし、結界を解除するために行動をする。
そして、アレはそんなことをしながらも、自らの欲望を満たす為に行動するでしょうね。……それにより、多くの人が死ぬことになるわ」
「そんなことはさせない。俺が止めてみせる。奴を、如月を、そうでないなら次に寄生した人間を倒すよ。これ以上誰かが犠牲になるのは見ていられないから」
人であって人でない存在になってはいる。外見はバケモノでしかない。心は元は人間のものだとすると、そいつを倒すと言うことは人を殺すということなんだろうか?
【殺してしまえよ。どうせ生きていても仕方がないヤツらなんだからな。ヤツらと言ったら人間っぽいからやめておこう。アレだな。ちゃっちゃっちゃっとぶっ殺そうぜ】
再び頭の中に普段の俺じゃない思考が現れる。戦いの中でノイズのように聞こえた声だ。
幻聴か? そんなこと思うが、とりあえず無視することにする。
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