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異界の王女と人狼の騎士
第十三話
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当然どんどんと強大なものになっていく。これがどういう意味かお前にわかる? 」

「強くなるのはわかるけど……」

「そのとおり。お前とわたしで戦ってなんとか勝てそうなレベルだったアレは、もう次の宿主を手に入れているかもしれない。もしそうだとしたら、あたりまえだけど、前の宿主である如月流星という少年の能力も記憶も何もかもを手に入れている。それはつまり、今度戦う時、相手はさらに手強くなっているということ。そしてもたもたしていると、もう勝ち目が無くなるかもしれないってこと。
 それだけじゃない。それはもっと大事なこと。奴は目的のもう一つであるこちらとあちらの世界の結界を破壊する行動を並行して行う。もし結界が壊れて向こうから本体が来たら……もうわたしたちに勝ち目は無いだろう」

 世界は大変な危機に瀕している。
 俺はそれを否応なしに実感せざるを得なかった。

 はたして、次に如月、もしくは次の誰かに寄生していた奴が現れたとき、俺は勝つことができるのだろうか?



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