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リリカルビィト〜才牙と魔法が交わる物語〜“改稿版”
五十七話、悲劇
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、真っ赤な血を垂れ流していた

「龍、也君……」

「だ、だから言っただろう……危ないって……」

「てめぇ! くらえぇぇぇぇっ!」

私が目の前の光景に圧倒されて動けない間に、ヴィータちゃんがアイゼンの一撃を入れ、その反動で龍也君の腹部からアームが抜け落ちる

そして結果的に支えを失った龍也君が私の方へと倒れこんでくる。倒れこんできた龍也君は意識がないのか、軽く身体を揺すっても反応が返ってこない

「……ねぇ、龍也君。起きてよ……起きてよ……」

[マスター!治療魔法を!]

「あっ……うん!」

レイジングハートに促されて、急いで龍也君に対して治療魔法を使用する。今回はなんとか上 手く魔法を使用することができたが、元々私はシャマルさんみたいに専門じゃない。だからすぐに効果が見られるような治療を行う事が出来ず、精々止血が出来る程度しか効果がない。それが悔しくて私の両目からはどんどん涙があふれてくる

「なのは! 龍也は大丈夫か!?」

どれくらいか時間が経った後にヴィータちゃんが私達の元へと駆け寄ってくる。私は涙をふく事なくヴィータちゃんの方へと視線を向ける

「ヴィ、ヴィータちゃん……龍也君が……龍也君が……」

「分かってる! とりあえずは船へ連れていかねぇ と……後方部隊、急患だ! 至急……」

ヴィータちゃんが後方部隊へと連絡を始める。 私はその間も龍也君をただ抱きしめることしかできなかった……

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