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リリカルビィト〜才牙と魔法が交わる物語〜“改稿版”
五十七話、悲劇
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そのボディをへこませる事が出来ると思われたその一撃を羽虫はボディからケーブルのようなものを出現させ、それを利用して自らへと一撃が届く前に制止させた。それに対してヴィータは一瞬驚いたような表情を見せるがすぐに気持ちを切り替えたのか適度な距離を取って相手の反撃に備える
そしてそれと等しいタイミングでガジェットからいくつかの光線が発射され、距離を取っていた 為にヴィータは容易に回避行動に移る事ができ、 回避が困難なものは防御魔法で防御を行った
●○●○
「(近距離攻撃に対してはあのケーブルがしっかりと防御してくるか……それなら俺やなのはが…… ん?)」
龍也は時折こちらにも飛んでくる攻撃を回避しながら対策を考えていると、ふと違和感を感じて視線をなのはの方へと向ける
「(おかしい……いつものなのはの戦闘スタイルじゃない……一体どうしたんだ?)」
何時ものなのはは空中での軌道はどちらかと言えば曲線を描く事が多い。だが今日のなのはの軌道はどちらかと言えばフェイトのそれに似た直線的なものになっていた
しかもその軌道はいつもより危なっかしく、何時敵の攻撃が当たってもおかしくないように感じられる
「なのは! そんな直線的な動きじゃ危ないぞ!」
「大丈夫! 攻撃はちゃんと防ぐから!」
とっさに注意の言葉をなのはへと投げかける龍也、なのははその軌道を直そうとはせずに戦闘を続行する
「(どうしたんだなのは……まるで何かに焦っているような……)」
いつもと違う感覚……それを感じてしまうが故にどことなく不安な気持ちになる
龍也は少しでも早くこの戦いを終わらせようと敵の隙を見て周囲のスフィアを発射する
「属性"雷"、スパークシューター……ファイア!」
発射したスフィアは電気を纏いながら螺旋を描くように羽虫へと向かっていく。そしてはたき落とそうとした幾多ものケーブルを回避し――
――突然展開された障壁なようなものに触れた後にかき消された
「なっ!?」
「無効化された!?」
龍也の見た限り、スパークシューターは防がれたというよりは障壁のようなものに触れた 瞬間に消滅したように見えた
それはつまり何かしらあの障壁がスフィアに対して干渉を行っていると言う事だと予想が立てられる
「っ……それなら!」
「おっ、おいなのは!」
先程の攻撃を見て対策を考えたのか、なのはが一気に羽虫との間合いを詰めるように飛行する
それに合わせるように羽虫は身体から板状のアームのようなものを二つ出現させ、それを一度 なびかせた後になのはめがけてそれぞれ間を置きながらも高速で伸ばす
「っ!?」
それに対してなのはは直進を止めて上昇をかけ、一本目を回避する。そしてそのまま
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