第4巻後編
篠ノ之神社での夏祭りデート
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した。すぐにドライヤーで髪を乾かしながら、時間短縮と言って浴衣の着付けをしてくる叔母さんに逆らえず、されるがままとなってしまう。
「うん出来た。やっぱり箒ちゃんって和服似合うわ〜お母さん譲りの髪のお陰かしらね」
「ど、どうも」
褒められた事に浴衣を着せてくれた事の両方にお礼を言いながら、箒はいつもとは違う服装に若干戸惑いを隠し切れていない。浴衣を着るのは実に数年振りだと言うが、雑誌のモデルと比較しても遜色ない程の雰囲気と一体感という着こなしを見せていた。
自分の容姿に自覚が無い箒は、自信の無い事を考えながら改めて鏡で見た浴衣姿。白地に薄い青の水面模様が付いた浴衣は、アクセントに朱色の金魚が泳いでいる。所々に置かれた銀色の珠と金色の曲線とが、派手ではない脇役として涼しげな印象と落ち着いた雰囲気を持っていた。
「それじゃ、これ持って行ってね。お財布とか携帯電話とか、他にも必要なのは色々入れておいたから。さてと、今頃は一夏君も待っていると思うから、早く行った方がいいわよ。今は奏さんと一緒じゃないみたいだから、彼氏にはなれないかもしれないけど十代女子としては恋心持ったとしてもバチが当たらないからね。それじゃ行ってらっしゃーい」
会話の一方通行となって箒を草履を履くなり外に出されてしまったようだ。かれこれ一時間は待っているから、帰ったりはしないだろうかと箒自身は心配をしていたが俺は雪子さんに待つと言っといたので待っていた。鳥居に着いたので、既に多くの人で溢れ返っていたので俺を発見する事が出来なかった。
「随分と遅かったようだな箒。あのまま出てこないかと思ったぞ」
「一夏っ。いたのか、全然気付かなかったぞ」
ぐいっと手を引っ張ったので、自然的に手を握っているので頬が赤くなっていた箒だった。それを知っていても、わざと気付かないようにしていたので箒的には有難い事だった。それと俺と箒の浴衣を互いに褒めた所で、軽いパニックとなったが十代女子の乙女心とでも言うのかな?俺が人の流れに沿って歩みを誘導して行く。
「さてと色々と見回るとしようか。夏祭りに来るのは久々だが、奏は俺が中学時代からここで舞っていたそうだ」
「そうなのか?奏さんは色々と武芸をしていると聞いている」
本来なら無言になってしまう箒だったが、やはり外史なのか本流には乗らずに支流として流れている。少しは免疫があるのか、普段通りに会話をしてくる箒だった。綿菓子に焼きそばに焼もろこし、一通りあるらしいが流石は篠ノ之神社である。
ここに妻がいるが、今は箒と二人っきりであるので完全なプライベートな時間。なので片っ端から回ったが、食べ物も美味いがやはり箒は昔から金魚すくいが苦手のようだった。
「やはり一夏は金魚すくい上手いな」
「ん。そうか
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