マブラヴ
1052話
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術協会に送り返されたとかいう話を聞いたが……もしも天ヶ崎みたいに採用されたとしたら、こっちに一言あってもいいと思うんだが。
もっとも、あの戦闘狂の月詠だ。関西呪術協会にしても手に負えないという可能性も十分に考えられる。
「アクセル代表、どうしました?」
月詠の事を考えながら食事をしていると、不意に掛けられる声。
そちらの方へと視線を向けると、そこには詠春の姿があった。
「いや、天ヶ崎が関西呪術協会に参加というか復帰したとなると、月詠はどうしたのかと思ってな」
「……ああ、彼女ですか……」
その名前を出した瞬間、詠春の表情に浮かんだのは苦い色。
この様子だと、やっぱり関西呪術協会に復帰したって感じではなさそうだ。
「彼女はこっちに戻ってきてからも酷く暴れましてね。私としても不本意だったのですが、力の封印処置を施して監視対象に入っています」
まぁ、力に魅せられた戦闘狂だと考えれば、肝心要のその力を使えないようにするというのがベストなのは事実だ。
月詠にしてみれば、まさに生き甲斐を奪われたような気持ちだろう。
「彼女の力に……より正確には戦闘に対する欲求は、酷く深いものでした。生半可な処置では寧ろ彼女の為にならないと思い……今では普通の女性よりも低い能力しか持っていません。気は勿論、魔力に関しても使えないようにしています」
「……なるほど」
「ただ……」
話を切り上げようとした俺に対し、詠春は言葉を続ける。
「今は大学に通っているのですが、それなりに今の生活を楽しんでいるようでもありますよ。報告によれば教育学部に進んだとか」
ぶふっ。
それを聞いた俺が、思わず口の中に含んでいた千枚漬けを噴き出しそうになったのは、ある意味当然だった筈だ。
現に、月詠がどういう人物なのかを知っている神楽坂までもが噴き出していたのだから。
あやかや円、桜咲といった面々は何とか噴き出すのを防いでいたが、それでも小さく咽せて近くにあるお茶へと手を伸ばしている。
……こうして見ると、神楽坂が色々な意味で悲惨というか、残念というか……女として不幸な出来事だったと言うべきか。
俺もまたお茶に手を伸ばして落ち着いてから、改めて詠春の方へと視線を向ける。
「教育学部とか聞こえたんだが……それは何かの比喩だったり、暗号だったりするのか?」
「いえ、正真正銘教師になる為の教育学部です」
「……何でまたそんな事に? どう考えても月詠には合わないだろ」
これがまだ運動学科とかであれば、話は分からないでもない。
何しろ、神鳴流を使いこなしていた月詠だ。今は気を封じられているとしても、身体を動かす事は嫌いではないのだろうから。
だが……それが、教育学科? 何だってそんな話にな
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