第4巻後編
夏祭りの準備風景
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る一夏は子供ではなく大人となってしまった」
「そういえば最近のニュースでも取り上げられていたわね〜。織斑一夏君は、IS学園に入学時は箒ちゃんくらいの容姿だったけどいつの間にか大人となっていたわよね。まあそれについてはいいとして、厚意に甘えさせてもらうわ。六時から神楽舞だから、今の内にお風呂に入って頂戴ね」
「はいっ」
元々篠ノ之神社で行っていたお盆祭りと言うのは、厳密な分類では神道というよりも土地神伝承に由来するものらしく、正月だけでなく盆にも神楽舞を行う。現世に帰った霊魂とそれを送る神様とに捧げる舞であり、それが元々古武術であった『篠ノ之流』が剣術へと変わった理由でもあった。
正確な事は戦火によって記録消失したので不明であるが、この神社は女性の実用刀があったりととにかく『いわくつき』の場所である。
箒達一家が離れた後も、こうして親戚がその管理を受け続いている。実はここを管理しているのは、最近だと蒼い翼が管轄として管理をしているからだ。定年退職した警察官は、蒼い翼関連の者だからたまに定時通信をしてくる。
脱衣所でかつて住んでいた家を懐かしむ箒であったが、不意にこの家を離れた理由は束がISを作った事だった。そして箒が転校してから、俺も本来の所属である国連軍になってから色々とあった。
「まあ箒が家を離れたから、束の事を恨んでいると思うが紅椿の待機状態があるのも束のお陰だろう」
「険しい顔をしていますが、赤い紐が交差するように巻かれていて、先端がそれぞれ金と銀の鈴が一対になっているのはいいデザインよね」
「初めて言った妹のワガママを答えてくれたのも姉である束さんのようですが、既にISはこちらの方が最強だよね父さん」
「現在エヴォルトシステムを積んだISは、既に換装されたので全員に配り終えました」
あの時の心の底から楽しそうな声を思い出していたが、恨みが少し晴れていたように見えた。風呂場の所までは音声のみで伝えらているが、許すのか断じたいのかは今の箒はまだ分からない様子だ。神楽の前の禊ぎである為、本来は川か井戸の冷水を使うのだが、その辺りは結構いい加減というより続けさせる為に緩くするという先人達の工夫でもある。
篠ノ之神社の禊ぎは風呂に入るだけで構わないので、箒は紅椿の腕飾りだけを身につけた姿で浴室へと入った。箒が幼い頃に改築したと言う風呂場は、総檜木のしっかりとしたものであって、先月に臨海学校で行った温泉宿にも引けを取らないくらいだ。広さはそこまでではなくとも、四人くらいは充分に足を伸ばして入れるだけの広さがあるからだ。
「ふぅっ・・・・」
何年か振りに入る湯船は、やはり昔と同じで心地が良かった。箒の好み通りで、湯船に少し熱めの湯が張られているのかその中で体を伸ばすたびに小さな水音
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ