提督、刺繍をする
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して負けた気が………」
「気にし過ぎだっての、どうせなら刺繍でも入れておこうか?」
刺繍という単語を聞いた木曾の瞳はキラキラと輝き始め、金剛は首をかしげた。
「ヘーイ提督ー」
「へーイ金剛さーん如何したましたーカー?」
「シシュウって、ナンデスカー?」
「簡単に言えば針と糸でやる装飾の事さ、糸を使って文字を入れたり絵を入れたりするのさ。まあ私は文字を入れることぐらいしか出来ないけどね」
「そんな技術があったんですか……」
純粋に感心する金剛は刺繍に興味を持ったようだ。
「んで木曾さんどうする?」
「勿論頼むぜ!"木曾"って入れてくれよ!」
「ついでに改二って入れとこうか?」
「マジか!?頼むよ!」
「うし、それじゃあ1時間ぐらい掛かるからそこに座って待ってな」
木曾は勢いよく頷き来客用のソファに腰掛ける、提督はケースから金色の糸を新しく取り出す。ほつれを直すと直ぐに刺繍に取り掛かった。かなり手馴れているのか凄い速度で縫われていく刺繍の光景にそれを見ていた榛名と金剛は目を丸くした。
「縁は金でいいとして、中は木曾さんの目に因んで碧にしようかな?え〜っと確か碧色の糸が……あったあった」
中を縫う用の糸を見つけるとすぐにそれで名前を入れていく提督、木曾は完成を今か今かと待ち望み、金剛姉妹はその光景に感動している。
そして、あっという間に1時間がたった。
「うし出来た!」
「おおおおおっ!!!すっげえカッコいいじゃないか!!!それに綺麗だ!!!」
完成したマントを木曾に渡すと今まで以上の目を輝きを放つ木曾。マントに入れられた美しい金と碧の刺繍、"木曾改二"と入れられたマントは今まで以上に彼女専用の風格を出し彼女の凛々しい雰囲気を今まで以上に引き出しているようにも見えた。
「おおおっ!凄い気に入ったぜ!早速姉さんたちに見せてくる!!」
嬉しそうにマントを羽織りそのまま執務室から駆け出していく木曾を見送りながら裁縫道具をしまう提督。
「やれやれ、刺繍なんて久しぶりだから目が疲れたな。金剛さん、紅茶淹れてくれない?」
「紅茶なら任せてくだサーイ!」
金剛が張り切って紅茶を入れてくれている中、鎮守府中に提督の刺繍の凄さが知れ渡り、刺繍の要望が殺到するのであった。
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