26.迷子のアニエス
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ィアは優美で聡明で慈悲深い自慢の主神だよ」
「僕も町で迷ってるところをスカウトされたんです!ずっと良くしてもらってます!」
ベルコンビがうんうんと頷く。
ただし、リングアベルだけはこの中で全く別の思惑を持っていたが。
予測が正しければ、これが日記に記された新ファミリアで間違いない。
人員は増えるし、損な話じゃなさそうだし、さらに言えば二人はリングアベルの記憶ともかかわる可能性がある。リングアベルは考え込むティズの肩に手を置いた。
「なぁ、ティズにアニエスよ。こうして出会ったのも何かの縁だ。我がファミリアの主に会うだけ会ってみないか?何も今この場で決定しなければいけない訳じゃないのだし、女神の方には俺からも口添えする」
「きっと二人も会えば神様のことがもっと知れていいと思います!」
「………だって、ティズ君。行ってみたら?」
「うーん……アニエスはそれでいい?」
「……貴方に任せます」
アニエスは元々世俗には疎い。そして、曲がりなりにもティズのひたむきさは信用している。だからこそ敢えて判断はティズに任せた。エアリーもまた同じようにティズに決定を一任している。
冷静に考えても断る理由がないと思ったティズは、大きく頷いた。
「わかった。じゃあ、まずは件の神ヘスティアに会ってみます!」
これが運命の出会いとなることを――リングアベルだけは確信していた。
ヘスティア・ファミリアに向かう途中、ふとアニエスは思い出す。
風の神殿から脱出したあの日、彼女は丁度こんな風にイクマ・ナジットに導かれてオラリオに来た。
ナジットは旧知であるというロキの元にアニエスを預けて何処へかと姿を消したが、まだ戻ってこないのだろうか。ロキには「別の場所に行きたいなら構わないが、困ったら頼るように」と念を押されているが、明日にでもロキ・ファミリアに行ってナジットが来たかどうかを聞いてみようか。
(それとも……もう依頼料を受け取ったから戻ってこないのでしょうか?)
彼は傭兵で、金以外では動かないと言っていた。これは自分の勝手な想像でしかないが、ひょっとしたら自分は捨てられたのかもしれない。
(もしかしたら、ティズもいつか――いいえ、ひょっとしたらエアリーでさえ……)
自分で言った筈だ。クリスタルを解放するのは別にアニエスでなく他の巫女でもいい。
エアリーがティズの側にいる以上、自分の役目はいずれ誰かに取って代わられてもおかしくはない。それに、自分の家でもあった風の神殿は魔物に制圧され、家族同然に過ごした修道女たちももういない。
他に誰が頼れるだろう。
子供の頃の親友だったオリヴィアは水の神殿襲撃で行方不明。
かつてお守り代わりにとペンダントをくれたユルヤナの老師は、辿り
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