26.迷子のアニエス
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いですか?」
「OK、俺が悪かった。茶々はいれないから気にせず仕事を続けてくれ……」
俺とベルの扱いの差は何だ!?と言いたいところだったが、そうするとエイナに「好みじゃないから」とかいう痛恨の一言を貰いそうなので大人しく引き下がった。
しかし、面倒見のいい彼女がベルの事を後に回すとは珍しい。手元にある資料がそれに関係しているのだろうか。ちらりと資料を覗き見たリングアベルは、それがファミリアに関するものである事に気付く。
一体何の資料だろうか――と思っていたら、エイナはそれをティズの前で広げ出す。
「お待たせティズ君。頼まれてた資料を持って来たよ!」
「何もかもお世話になってすいません、エイナさん。僕、今は何も返せませんけど……いつか必ずお礼させてください」
「いいのよこれくらい。年下なんだからもうちょっと甘えなさいって」
エイナは苦笑しながらカウンター越しにつん、とティズの頭をつついた。
突かれたティズは「あうっ」とのけぞる。何だか妙に仲睦まじげに見えるのは気のせいなのか。
「エイナさん、ティズさんと知り合いなんですか?」
「え?ああ、ちょっと一緒に仕事することになって……あ、そうだ!ベル君たちとも関係あるかもしれないから一緒に聞いていかない?」
エイナは、アニエスたちも含めて既にティズと話し合った内容を改めて説明する。
今、ティズはノルエンデ復興のためのオラリオ内でのスカウト、及びノルエンデで作成されたアイテムの売買を行おうと計画している。そしてその上で『業務提携』のように活動を手伝ってくれるファミリアを探している。
だが、いくらギルドが手伝うと言っても通常業務だけでも忙しいギルドに活動本部を置くわけにもいかないのでファミリアと提携して一時的にファミリアに入れてもらう契約を交わそうとしている。ティズは自分の抱えた問題を考えてそれとなく条件を提示してエイナに提携してくれそうなファミリアのリストアップをしてもらったのだ。
「で、考えたんだけど……ベル君とリングアベルは『ヘスティア・ファミリア』っていうファミリアの所属してるの。で、このファミリアはつい最近二人が入ったことで活動を漸く開始してね?簡単に言えば、他の零細ファミリアより伸び代がありそうかなって……」
無論そこには所属しているのが自分の面倒を見ているベルがいるという理由もある。だが、逆を言えば彼を通せばファミリア内でのティズの様子を把握するのも容易になる。下手に知らない冒険者のいるファミリアに所属させて、後でトラブルになったらそれこそ事だ。
「女神ヘスティアは派閥争いには参加してないし、反結晶派との繋がりもない。本人も温和な性格だからアニエスちゃんを拒絶することもないと思う」
「ああ、それは俺も保証する。女神ヘステ
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