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ガンダムビルドファイターズ 〜try hope〜 外伝
リクエストSP〜
リクエスト1! 『過去編 トオサカ シノ』 前編
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時間は遡ること約二年前の冬。その時はどこにでもいるような普通の中学二年生で、今とは違い、ただ暇をもて余して学校を過ごしていた。

キーンコーンカーンコーン

学校の終わりを告げるチャイムも鳴り、高校でいう帰りのSHRを終え帰路につく。

「………ハァ……」

溜め息を吐きながら、いつも(かよ)っている叔父さんの店に寄って、仕事の手伝いをしている。基本的に校則でバイトをするのは禁止されているが、身内の手伝いだからバイトの部類には入らない……はず。

「シノちゃん。そこ終わったら次はこっちの水やりを頼む」

「はーい」

見た目がゴツくて、エプロン姿が似合わない叔父さんに言われジョウロに水を入れて水やりに行く。ちなみに、叔父さんが開いている店は花屋だ。

まあそんなかんなで、平和で平凡な日常を過ごしている。しかし、平凡過ぎてつまらないと思うことが度々だ。

「お疲れ様でした」

「わざわざいつもありがとうな。しかしシノちゃんが来てから店が繁盛してるし、もういっそのこと将来ここで働かない? 」

「そんな簡単には決められませんよ。それでは」

見た目がゴツい叔父さんにペロリん顔をされながら言われ、多少引きながら挨拶をして家に帰った。いや、多少じゃない。かなり引いた。

ーーー−−

「ただいま」

「ん?あっ!お帰り姉さん! 」

玄関を開くと、まだ小学六年生の弟リンヤが立っていた。小学生にしてはしっかりしている自慢の弟。

「ただいまリンヤ。お父さんとお母さんは? 」

「まだ帰ってきてないよ。それよりも僕お腹空いちゃった」

「はいはい、ちょっと待ってなさい。ところで今日は何がいいのかしら? 」

「カレーライスがいい」

「一昨日食べたばかりだから却下」

「んー。じゃあハンバーグ」

しっかりしてはいるものもやはりまだ子供で、リクエストしてくるものは大抵カレー、ハンバーグ、コロッケ、唐揚げと小さい子供が好きそうなものばかりで少し笑ってしまった。

「ハンバーグね。リンヤはテレビでも見て大人しく待ってなさい」

「分かってるよ姉さん」

ーーー−−

「ハァ……」

皿洗いをしながら、また溜め息を吐く。最近溜め息を吐いてばかりで少し鬱になっている。どうしたものかしら…。

皿洗いを終えた後、家事洗濯を済まして居間に行くと、テーブルの上には何かの説明書と箱が置いてあり、説明書の上には何かのパーツがばらかまれていた。

「ほったらかしにしてお風呂に入りに行ったわね…。まあいいか」

特に気にもせず、冷蔵庫からプリンを取り出してテーブルに戻り、テレビのチャンネルを変えながら食べる。こう甘いものを食べてるのが、唯一生きてて良かったと思える
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