第1章 光をもとめて
第3話 盗賊団アジトへ
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っっ! いきなりでかくなんな!!」
ランスが思わずそう言ってしまうのも無理ない。このオヤジはかなりの図体であったのだが、覇気のない顔をしていて、しょぼくれているとも思えていた。……が、次の瞬間には一気に顔面を近づけてきたのだ。
だから、急にでかくなった、と錯覚しても仕方ないのである。
「そ、それは、《限りない明日戦闘団》の仕業じゃないのか!? お、オレの娘、パルプテンクスもそいつらにさらわれてしまったんだ!!」
カウンターに両手をばんっ! とつきながらそう言うオヤジ。確かに、以前この酒場に来た時、ウエイトレスの女の子がいた事は覚えている。水色の長い髪をしたコで、かなり人気がある事も。
「……まだ、この辺りには、そんな奴らが蔓延ってるのか。豊かとは言え やはり、何処にでも下衆はいるんだな。掃除してもし切れん」
「!!!」
オヤジは、ランスの次にユーリに向かって視線を、身体ごと向けた。というより身を乗り出してきた。
「ま、まて!! まさかだが、グァン嬢ちゃんを助けてくれたのは、あんたたちなのか!?」
目を見開かせながらそう言うオヤジ。
それを訊いたユーリが頷こうとしたのだが、そこは当然ながらランス。
「がははは! この超天才のオレ様が、格好よく救い出したのだ!」
と、脳内変換を完全にすませている様で、清々しいまでに捏造をしていた。
「ま、それでも別にいいが」
ユーリは別段そんな事は気にする様な事はない。だから、苦笑いを軽くするだけですませていた。
「ほ、本当か!! た、頼む! 都市守備隊も誰も動いてくれないんだ。グァン嬢ちゃんのオヤジとオレは古馴染みで、その件の事は知ってたんだ。 オレの娘、パルプテンクスも助け出してくれないか!?」
カウンターに額を擦り付けるマスター。そして、1枚の写真を取り出した。ランスは半ば強引にそれを奪い去ると、目を輝かせる。
「うおおおお! 可愛いではないか!」
「……やはり、今日はいないと思ったら、そう言う事だったのか。……にしても似てない」
「パルプテンクスは、オレが腹を痛めて産んだ大事な大事な娘なんだーー!! このとおりだ、頼む!!」
……オヤジが言っている言葉の意味は理解できいないが、それだけ混乱をしているのだろう。それだけは判った。
「がははは!! それならば、話は早い! この娘の可愛さに免じ、颯爽と解決してやろう。このオレ様とそして下僕その1がな」
「誰が下僕……ま、ガキよりはマシか。ん? マシ、で良いのか? オレ……」
今まで良く言われているのが自分の顔から言われる童顔・ガキと間違われる。だ。
だから、それより下僕と呼ばれる方がマシ……と一瞬考えてしまったが、それはそれでイヤだろう。普
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