暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第3話 盗賊団アジトへ
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業中に、普通頼むか?学園長が……、と言うか教師が生徒に。……彼女が有能だから、という理由もあるだろうが……)

 これがまず初めの綻び。
 ここから、真実へと近づいていくのだった。




〜リーザス城下町 酒場 ふらんだーす〜


 店内に入ると、がらんとしているのが直ぐに解った。
 閑古鳥が鳴くとはこう言う事だと言わんばかりに。

「うむうむ。いつも通り、なんの変哲もないザ・酒場だな。……む、なんだ? 前に来た時はそうでもないと思ったのだが、繁盛しておらんでは無いか。これならマスターを殺した所で、誰からも文句は出んし、わからんだろ」
「無茶言うな。誰かにはバレるだろうが。……が、この空気はあのマスターのせいで間違いないだろうな。不景気な雰囲気、陰湿、陰鬱、まぁ負のオーラをばら撒いている。……目に見えるほどとはある意味凄い。……というより不自然だな」

 カウンターで佇んでいるマスターを見てユーリはそう呟く。
 負のオーラを具現化しているマスターはそれだけで、桁違いの想像力があるのでは無いか?と逆に感心するほどだった。 と、それが第一印象だ。だが、ランスの言う通りこの酒場には以前に着ている。その時はそれなりに活気に溢れていたし、あのマスターも豪快なオヤジ、という感じだった。……こんな短期間で何があったと言うのだろうか。

「ふむふむ。なる程な。恐らくはアレだろう。借金を抱え、女にも逃げられ、人生どん底。死んだ方がマシ、つまりは自殺を考えているのだろう。ならば、いっその事、引導を渡してやるのが優しさ、奴の為だろう」
「……お前は殺人快楽者か? 殺しと優しさを一緒にするなよ」

 どうあっても殺しをしたいランスにそう苦言した。ランスが先ほどから、ブツブツと言っている事を訳してみると、『女を抱いていない!』との事だから不機嫌の様だ。
 まぁ、他からすればとんだ迷惑極まりない八つ当たり。それも、無駄に腕が立つものだし、冗談でサクっと刺す様な男だから、更に理不尽極まりない。

 そして、これだけ騒いでいるのにも関わらず、ここのマスターは動く気配がない。仕方ないので、ユーリが話しを切り出す事にした。

「一応、聞きたい話しがあるんだが……」
「……なんだ?」

 この時漸く 話しを訊く事が出来る様だ。

「ふん! 貴様の様な むさくるしくて、生気のないオヤジに訊くのは時間の無駄だと思うのだが、ちょっと行方不明の女の子を探しているのだ」

 漸く話しが出来る、と思えばランスが先に切り出していた。ユーリは、通行書についてをある程度聴こうと思っていたのだが……、と軽く出鼻をくじかれた感じだったのだが、その直後に、このマスターの顔がみるみる内に強ばっていく。

「ゆ、行方不明の女の子!!!?」
「うお
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