第1章 光をもとめて
第3話 盗賊団アジトへ
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ないだろうな。……忍者だ。雇い主の情報は吐かない。訓練してると思うし、……自害してでも吐かない可能性もある。……だが、正直な所、そこまで錬度が高くはなさそうだ、油断は出来ないが、暫くは泳がせた方が良いと判断したんだ」
「まっ、その部分は、貴様の言う事は当たりだろう! がはは! 相当なへっぽこ忍者なのはなっ! 見ただけで判るというものだ」
ランスは笑って言ってるが、そのへっぽこに財布を掏られた挙句、背後までのは何処のどいつだ? っとツッコみたいが、野暮な事は言わない方が懸命と判断した。
だが、あの忍者には、それ以上に思う所はある。
この場面で、忍者が忠告に来ると言う行動だ。問答無用で一刺しすれば確実だと言うのに。
「……まぁ、いずれは判るだろう」
ユーリはそう呟く。
「む? 何がだ?」
ランスはその言葉に気になったのかそう聞くが、ユーリは言葉を飲み込む。
「親玉が、の事だ。大臣か、軍上層部か、……或いは王族か」
「がはは! それは当然だ。女忍者の癖に簡単に姿を現すへっぽこだからな。次会えばご主人にも合わせてもらえそうだ、と思える!」
ランスは笑ってそう言う。
……が、そこまでの考え無しとも思えない。一国に仕える忍者だからと言う事もあるが……他にも考えられる事もある。
極々単純な事だ。
(私情と任務、その狭間と言った可能性もあるな……)
ユーリは、顎に手を当て思案する。
かくして、二人の英雄はリーザスという巨大な闇に脚を踏み入れる事となった。
〜リーザス城下町 城門前〜
そこは公園から少し離れた場所にある城門。
そして、城壁の内側、その城門の直ぐ傍に一本の巨大な樹木があり、その上から公園を観察している者がいた。否、公園ではなく……男達を、だ。そう、先刻に姿を現した女忍者。
「……やっぱり、アイツは只者じゃ……、緑の方に先に忠告に行ったのは正解だった。でも……」
その表情は、何処か暗く、険しい。悲哀な表情とも取れる。
「これで、手を引いてくれる、訳ないわね……、それに、あの男は……」
自身の手を見た。ゆっくりと開き、そして閉じる。握り締めてみる。
手は、問題なく動く。だが、その手は僅かながら震えているのが判る。
「っ……」
得体の知れない恐怖を味わった。こんな事、一体いつ以来だっただろうか、判らない。
「次は……、本当に気を引き締めないと。……ア様の為」
そう呟きながら、木の上から跳躍。残るのは僅かに揺れた木の枝のみだった。
2人の事は、その巨大な闇たちに触れられた事だろう。さて……、どう出てくるのだろうか?
世界一豊か
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