第1章 光をもとめて
第3話 盗賊団アジトへ
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「……尻尾捕まえた所で、本体が出てくるとは限らんと判断してな。トカゲみたく切り捨てる可能性もある。だから、ここは暫く泳がせた方が良いと思ったんだ。それに少し思うところもあるからな。……ほら」
ユーリはそう答えるとランスの方へ財布を投げた。
少し不愉快そうにしていたランスだが、財布はちゃんと受け取る。
「む、どう言う事だ?」
「今から説明する。……が、協力関係がバレた事は少々痛かったか、動きにくくなりそうだ」
「だから、それは逃がした貴様が悪い! それに、オレ様ひとりでも財布を取り戻すのなど、朝飯前だ!」
「なら、次は期待している」
「……あの小娘め、お仕置きだ! 次あったら絶対に犯してやる。」
やはり、相当に悔しかったようで、暫くランスは不機嫌割増になっていた。盛大に公園のゴミ箱を蹴飛ばし、そしてベンチに腰をかける。……ゴミ箱の中に何も入ってなくて良かったね。
「で、貴様の方は何か?めたのか?」
「まぁ……それなりには、な」
「ほう……。それが役に立たん情報だったら、報酬を減額するぞ?」
「いつ、お前さんが依頼者になったんだよ。ったく。……有力だ。少なくとも影は?んだつもりだ。あの女忍者を逃がした理由もそこにある。《背後の影》、想像以上に厄介だと思うぞ?」
「……む、どう言う事だ?」
ランスは、ユーリの言葉に興味を持ったようだ。
普段は男の説明、情報など上の空もありえるのだが、表情には真剣味も出ている。背後の影、闇の大きさを口にしたその時、まるで連動したかのように日が陰り、まだ日中だと言うのに薄暗くなった。
「情報の筋は、間違いない。この件には『この国』。リーザスの上層部が関わっている。……それに、さっきの忍者が逃げた先も、見えたか?」
「馬鹿にしてんのか? 貴様は。……だが、その上層部とやらは、ガセネタではないだろうな??」
「残念だが、これは有力な情報だ。出所も信頼できる情報屋。九割九分九厘、ほぼ間違いない、……相手が相手だから、これ以上は無理はさせられないがな」
「ちぃ、マジみたいだな。ったく、キースの野郎、これじゃ50,000GOLDじゃ割に合わんぞ。いくらこのオレ様が空前絶後の超天才だとしてでもだ。その倍、いや10倍はふんだくってやらんと気がすまん!」
口では強気の姿勢を崩していない様だが、その実、珍しく弱気とも取れるランスの発言だった。
……が、それは無理も無い事なのだ。これはただの強盗や盗賊みたいな野蛮な連中が起こした、或いは、何かの遺恨絡みの事件だと思われていたただの誘拐事件が、下手をすれば一国を相手取る大事件の可能性が出てきてしまっているのだ。……随分と穏やかではない。
「先見のあれは、こう言った事からだ。あの女忍者を捕らえた所で、大物までにはいか
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