第1章 光をもとめて
第3話 盗賊団アジトへ
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暗殺……それらを主としている忍者が正面から、戦士職であるオレ達と、衝突する。……それこそ、『正気か?』」
鞘に収められている剣をみせる様に、マントに隠されたそれを見せた。それと同時に、得体の知れない何か。その根幹を見た気がした。
「くっ……」
確かに、それは言う通りだった。正面からの戦闘、決して出来ない訳ではない。それなりに出来る。が、この戦いだけは部が悪すぎる。
目の前の男、乱入してきた方の男の力の底が見えないから。
それなりに、通ってきた修羅場、それらからの経験が自分に告げているのだ。
――ここは退け、全力で逃げろ、と。
「これ以上は、無理か……!」
「……それにしても、自分の方から姿を見せるとはな。忍者のわりには随分と優しいんだな?いや、誘拐犯さん。と言った方が正しいか?」
その男の言葉を聴いて、更に女忍者は更に間合いを取った。
何気ないセリフなのに、その言葉の一つ一つが、自分の心臓にまるで突き刺さる様な感覚に見舞われる。経験が告げる、と言うより 自分の全神経が、警報を鳴らしているのが判った。
『この男……、本当にヤバイ』
そう確信した時には行動に移せれていた。
身体が動いたこれは僥倖だった。滑らかに懐に忍ばせた煙玉を取り出すとそのままの勢いで地面に叩きつけ、煙幕を利用しこの場から離脱した。
だが、その煙の微妙な変化を捕えた。その女忍者の影も。
跳躍を繰り返し、建物の屋根を伝って、リーザス城、城壁の内側へと入っていったのを。
「ふ……ん。反応良し。……まぁ忍者だからだろうが、判断力もなかなかだ」
そう忍者を分析する。……更にちゃっかりと、財布を奪い返していたのはユーリだ。
取り戻しておかないと、ランスは無一文。そうなればランスが更に集ってきそうな気もするんだ。まぁ、大当たり、だろう。
「コラ馬鹿者!! 何を逃がしているのだ!」
「まぁ、仕方ないだろ、これなら」
「煙玉を使うのなら判らんでもない、がオレ様が言うのはそこではない」
ランスは一歩にじりよると、人差し指を向けた。
「貴様、わざと逃がしただろう!」
……少し、ユーリはこの言葉で驚いていた。
自分の事を過大評価している訳じゃないが、確かにあの間合いを積める事も、遠距離の敵を撃つ術も持っている。
が、それをランスが知っている訳はないし、ランスは何かを感じた様だ。
ランスを過小評価していたわけでも決して無い。初めて会ったあの時から、この男には何かあるとは感じていたが、それを差し引いてでも驚いたのだ。
……が、財布を取り戻したのに、罵られるのはどうか?とも思ったがそこはこの男だと、早々に理解した。
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