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トワノクウ
トワノクウ
第三十三夜 千一夜(二)
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、という意で。

「だが、これだけは言わせてもらう。己をこの世に産み落とした存在だからといって、己の生き筋を勝手に決めるならば死ぬ気で抵抗すべきだ」

 今度は理解できず、くうは首を傾げた。

「俺も天網に括られていた身だ。俺達を造ったのは確かに姉さんや漆原であり、千歳コーポレーションだ。だが俺は彼らの誰にも服従する気はないし、ましてや彼らを喜ばせてやろうなどとは思わない。俺は俺の道を往く。歪めるならば、天人であろうが許さない」

 あまりに確固たる宣言に、くうはすっかり毒気を抜かれた。

 どれだけ束縛されようが彼の翼は穢れない。
 梵天はその生き様だけで、自ら立つとは何かをありありと見せつける。
 誇り高き鳥。
 これは、あまつきの命の在るべき姿だ。

(分かった。このひとを知って、そして、それをどう生かすか。私が今この場でやれること。私があまつきに呼ばれた訳)



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