マブラヴ
1051話
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巫女がそう告げるが、明らかに交渉相手としてはマイナス要素だろう。
あー……この件をエザリア辺りが知ったら、色々と凄い事になるかもしれない。
「そ、その……お見苦しいところをお見せしてしまいましたわ」
「……ごめんなさい」
そんな風に2人が謝っているのを見ながらも、巫女は小さく笑みを浮かべつつ部屋へと案内する。
「こちらが女部屋で、この隣が男部屋となります」
「へぇ……」
案内された部屋を見て、思わず感嘆の声を上げる。
近衛の友人だったり、就職先予定という事もあるのだろう。用意された部屋は広く、20畳くらいもあった。
どう見ても1人で使うような場所ではない。大勢の人数が泊まるような部屋だ。
それだけ俺達が歓迎されているというのを現しているのだろうが、素直に受け止めるというのもちょっとな。
……詠春辺りの性格を考えれば、実は普通に歓迎しているだけとも考えられる、か?
「では、私はこの辺で失礼します。もし何か用事があれば、そこの電話の内線を使って貰えばすぐに対応しますので」
ペコリと頭を下げて去って行く巫女を見送り、取りあえず部屋の中を見回す。
女部屋とは襖で繋がっており、自由に行き来出来るようになっているのが分かる。
……まぁ、神楽坂がいる以上迂闊な真似は出来ないだろうが。
夜に関しても、ここでいつものように過ごせば向こうに弱みを握られる可能性もある。
もっとも、本気でそこまでするとは思っていないが。もしそんな真似をすれば、それは即ちシャドウミラーとの全面的な対決を意味するのだから。
もしそんな事になれば、京都の上空をメギロートやシャドウが飛び回り、地上をイルメヤが闊歩し……という光景になるのは間違いない。
詠春にしても、関西呪術協会の者にしても、俺達がそれを出来るだけの……1つの国どころか、1つの世界を相手取るだけの戦力を持っているというのは、麻帆良から……正確には近右衛門から聞いて知っている筈だ。
それを考えると、妙な真似をするとは思えないが……
そんな風に考えていると、いきなり襖が開かれて円が顔をだす。
「うわ、アクセル君の部屋も私達の部屋と同じ感じね。……こっちは3人なのに、アクセル君は1人でこの部屋を使うのって、ズルくない?」
「そう言われてもな。男部屋と女部屋で分かれたんだからしょうがないだろ?」
「ちっちっち。いい、アクセル君。確かに普通は男部屋と女部屋で分かれるのは当然と言えるわ。けど、それはあくまでもその男女が何の関係も……具体的には友人程度までの関係だった場合よ」
ふふん、と笑みを浮かべながらそう告げる円。
いつもは抑え役に回る筈の円が、今日は妙に突っ走っているように見える。
いやまぁ、円にとっては護衛の仕事もあるけど
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