第十二話
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30分以内に到着するともことだったので、俺たちは近くの公園へと移動した。
公園にもカメラが設置されてはいるが、それはトイレ付近にしか置かれていない。パトロール中の警官に見つからない限りは安心だ。
俺は近くにあった自販機で缶コーヒーを購入。
「何かいる? 」
と少女に声をかける。
少し考えた後、
「これがいい」
と、ホットレモネードのボタンを押した。
公園の中に移動すると、二人してベンチに腰掛ける。俺は、なんかとても疲れていたので、腰掛けるとベンチに背を持たれかけ大きくのびをした。
俺は缶コーヒーのプルタブを引き、一口含む。
缶コーヒーとはいっても、暖かいものを飲むと、なんか落ち着くなあ。
少女もそばで、ホットレモネードをコクコク飲んでいる。
こうやって二人で座っている所を見たら、仲の良い兄妹に見えるのかなって思う。
なんかぼんやりした時間だ。
「ところで、さ」
「何だ? 」
「迎えが来るまで少し時間があるから教えて欲しいことがあるんだけど。今まではそんなこと聞く暇がなかったけど、今なら大丈夫だろ? 」
「……お前もわたしの下僕になったからには、知っておかねばならないこもあるでしょう。いいわ、わたしが知っていることなら答えてあげるわよ」
「じゃあ、まず。君の名前はなんて言うの? 」
いつまでもお前とか君とかこいつとかいうのも何だしね。姫って呼べと言われたけどそれはそれでもいいんだけど、本当の名前を知らないとなんだか落ち着かない。
「……マリオン・アドミラルだ。継承順位第3位の王女だ」
「えー、まじで王女様だったんだ……」
まあ、それっぽい格好をしているからそうなんだろうとは思っていたけど。
「こんなことで嘘をついてどうする。お前のような下民がわたしと口を利くことなど本来なら叶わぬ事なのよ。わたしの世界ならお前は即串刺しにされているわ」
いや、もうさっきそれ以上の目に遭ってるんだけど。
それは口にはしなかった。
「王女というからにはどこかの国のお姫様なんだよね。その国はどこにあるの? 」
「お前が考えているような、どこかの国の王女という存在ではない。
種族からしてお前達とは異なるのよ。わたしたちのことは、世界を統べる王の一族という存在だと考えればいい。わたしの住む世界では国という概念は被支配者層しか使わない。……お前達にわかりやすく言えば人民にとっての【神】みたいなものといえば解りやすいかしら」
【神】という存在に少し違和感を感じてしまうが、実際に彼女の見せた能力は人というくくりに収まるような存在ではないから、そうなのかなとも思う。なんたって瀕死の俺を復活させたからね。
「じゃあ、神様である君を
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