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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
46 恐怖、憎しみ、そして安息
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らげていく。

「ありがとう…」
「ったく、お気に入りのハンカチだったんだぜ?感謝しろよ?」
「でも無事でよかったわ」

マヤのハンカチで出血を止められた光熱斗はゆっくりと起き上がった。

「ところで、アンタの名前は?私はマヤ・ホープスタウン、WAXAの分析官…ついさっきまではな。ワリィ、言い直すわ、WAXAの「元」分析官のマヤ・ホープスタウンだ」
「…光熱斗」
「私はヨイリー・レティーナ、WAXAの研究員だったり、才葉大学工学部でたまに教えてたり、あとデンサン工科大では客員もやったり…まぁ、同じく「元」がつくけどね。お久しぶりね、熱斗ちゃん」

マヤはヨイリーは今、自分の置かれている立場を皮肉ってみせた。
熱斗はいつもと違い、殆ど何も語らない。

「?オレのこと…」
「最後に会ったのは…10年近く前だから、覚えてないかしら。科学省の光祐一朗ちゃんの息子さんでしょう?彼が学生の頃、私の講義を受けていたの。もちろん、お祖父様の光正博士とも面識はあったけどね。それにしても大きくなったわね、あの頃は彩斗ちゃんの後ろに隠れて…彩斗ちゃんが私と会った数日後に亡くなったって聞いた時は正直、ショックだったわ」
「…おじいちゃんとパパの…そうですか」
「アンタ、光博士の息子だったのか。で、アンタは何やってる人?凄腕オペレーターって事はオフィシャルの養成学校の首席とか?」
「…デンサンシティの秋原中学校1年、今はパパの用事で才葉学園中等部に」

マヤは少し驚いていた。
ゴスペル事件や電脳獣事件を解決した敏腕小学生オペーレーターなら中学進学時にオフィシャルの養成学校から誘いがあってもおかしくはない。
しかしそこに通っていないということは、断ったと言っているも同然だった。
そして同時に熱斗の様子が明らかにおかしいことに気づいた。
初対面だというのに、普段の彼を知っているような既視感がその違和感を覚えさせていた。

「アンタ…大丈夫か?何があった?」
「オレは…言われた通りに学校のシステムに入り込んでWAXAに情報を伝えた。だけど…その後に侵入した時にデータを改ざんしてテロリストに加担したって言われて…不正アクセスと内乱未遂?か何かで捕まった。そして…」
「分かった。取り調べでフルボッコにされたんだな。虚偽の自白を引き出すために…木場のやりそうなことだぜ」
「間違いないわね…」

熱斗が傷だらけで牢に放り込まれていたのは、取り調べ時の暴行が原因だった。
ある程度、予想はできていたとはいえ、その傷跡を目の当たりにするとその想像を遥かに超えた暴力が奮われていたことを瞬時に察する。
しかも無罪の人間を陥れるための理不尽な暴力だ。
到底、善良な市民に奮われるべきものではなく、まして子供に奮うなど公権力を行使する者以前に人
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