精神の奥底
46 恐怖、憎しみ、そして安息
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ーダストの正体が自分のずっと会いたがっていた人だったことを知ったあの瞬間を思い出す。
本来なら死ぬかもしれない恐怖で動転していて記憶は残っていなかったかもしれない。
しかし痛みと助かるかもしれないという希望、そして嬉しさでそれは強く記憶に刻まれていた。
そして同時にミソラという親友であっても、彼の正体は言うべきではないと思った。
もし言ってしまえば、自分を今まで支えてきたくれた人を気がした。
Valkyrieのような存在と戦っている者が自分の正体が広まるのを好むはずがない。
そんなことは学校にも中々行けないような生活をしている学のない自分でも分かることだった。
「そっか…」
「そういえば、1つ不思議な事があるの」
「不思議なこと?」
スズカは上半身を起こして自分の入院着をずらし、怪我をしている肩を見せた。
「弾が掠ったの。ざっくり筋肉まで裂けちゃって、結構血が出てたと思う」
「大丈夫だったの!?」
「うん、ロックマンが止血してくれたから」
「ロックマンが?」
「そしたらほら。傷口がふさがってたの。だから病院についてから殆ど治療と呼べる治療は受けてないんだ」
「え…」
「ロックマンってすごいよね。傷まで治しちゃうんだから」
ミソラはもう何が何だか分からなかった。
正直、ミソラが理解できるキャパシティを遥かに超えていた。
ため息をつきながらスズカの傷を見るために起こした上半身を再びベッドに倒した。
スズカは続ける。
「それに傷が治っていなかったにせよ、かなり止血がちゃんとしてたらしくて、もしここまでちゃんと止血がされていなかったら、この程度では済まなかっただろうって救急隊の人が」
「…ハァ…もうわけが分からないよ」
「そうだよね。もう考えるのやめよ!疲れちゃった!」
「こんなことがあったけど、結果的にしばらくお休みもらえたしね」
スズカも入院着を整えてベッドに入る。
だがミソラはため息をつきながらそんなスズカを見ていた。
「どうかした?」
「いや…スズカって胸、おっきくて羨ましい」
「ちょっ…そんなこと気にしてたの?ミソラもすぐ追いつくよ」
「そうだといいな…」
「ふふっ…おやすみ」
「おやすみ」
2人はそのまま疲れのあまり、眠りに落ちた。
仕事に対する肉体的な疲れと、2日間の緊張感という精神的な疲れが同時に襲ってきた。
精神的な方は癒えるまで長い時間が掛かるかもしれない。
だがいづれは幾つもの夜と眠りを越えていくうちに、忘却という優しさがそれを癒していく。
今の2人にできるのは眠ることだけだったのだ。
留置所の夜はまだ深かった。
時間が流れが出血を止め、痛みというのもを和
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