精神の奥底
46 恐怖、憎しみ、そして安息
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でもありがと。そこまで心配してくれたんだ」
スズカは何故か納得してしまった。
ミソラは内心安心していたが、スズカも同じだった。
スズカには元から天然でおっとりしたところがあった。
だが今回はミソラの怪我が不思議と事件に巻き込まれたのが原因でないと思い込むことで自分を安心させるいい方向に働いたのだ。
ミソラは一度、深呼吸をして目を閉じる。
自分を地下で蹴り飛ばしたあの人物のことを思い出す。
あれはスバルくんじゃない…でも…誰なの?
星河スバルが変身するシューティング・ロックマンと似た謎の電波人間。
灰色のアーマーにシャープで鷹と狼の合わさったような攻撃的なフォルムのヘルメットバイザーなど違っていた点も多いが、シルエットだけならかなり近い。
そして実力も相当なものだった。
自分の攻撃をものともせず、バトルカードを使用しても標準装備の武器と徒手空拳で打ち負かされてしまった。
あれは電波人間としてのスペック、すなわち融合するウィザードの能力の高さだけではなく、装着する人間の能力もかなり高いことを物語っている。
いずれにせよそこらにいる人間と野良のウィザードが偶然出会って誕生したものではない。
恐らくあの強さはミソラの知る一度地球を救った程の強さを持つスバルのロックマンを上回っている。
こちらはValkyrieの一味だと勘違いして全力で挑んたというのに、向こうはこちらを敵として認識しておらず、かなり手加減をしている感じを覚えていた。
もし向こうが本気を出していたら、間違いなく殺されていた。
「だけど最後は助けた」
「え?」
「あっ、いや、何でも」
だが殺されるどころか、最後にリカバリーのバトルカードを残していく程の余裕を見せた。
そしてWAXAや警察ですら手出しできなかったValkyrieの傭兵たちを薙ぎ払い、人質を全て救出した。
逆にスターダストでなければ、人質を救出することはできなかっただろう。
いずれにせよ謎が多すぎる。
一応、スバルに連絡は取っておく必要があると感じた。
自分の荷物の中に入っていたiPhoneを取り出す。
しかし今の時代ではトランサー同士のIP電話のアカウントの交換が主流で、このインターネットが使えない現状で使える通常の電話回線を使用する、いわゆる普通の電話番号は登録されていなかった。
「ハァ…」
「どうしたの?愛しのスバルくんが恋しい?ごめんね、隣のベッドで寝てるのが私で」
「そんなんじゃないよ!」
「あっ、そういえばね、私、ロックマンに会ったんだ」
「え?」
スズカは顔を真赤にするミソラに笑いながら言った。
「すごく強くて…すごく頭が良くて…すごく優しい人だった」
「…何か言ってた!?」
「…何も」
スズカの頭の中ではスタ
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