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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十四話 破壊の宿業 [弐]
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論と、技術。
いくつかの源流から派生し、多くの流派へと分かれて行った古代ベルカの戦場格技のその“源流”の一つであり、人が己の持つ最も原始的な力で、同じ人間を“破壊”する為に生まれた力。
その名を、「黒のエレミア」。
まだ戦場格技という概念自体が無かった時代に生み出され、その技術と理論を戦乱と言う死の世界で極めて行った一族と武技である。
────
「それが、ジークさんの……?」
「うん、ウチのご先祖さま達のなんよ」
どこか昔話を語るように言うジークに、クラナもまた、一つの物語を聞くような気持ちで首を傾げた。
「じゃあ、あの力は……」
「ウチがご先祖さまから受け継いだ、エレミアの技術と力……ウチらは“神髄”って呼んでる」
「なるほど……」
道理でレベルが違う訳だと、クラナは何処となく納得していた。実際あの力はそれまでの彼女とは明らかに一線を画していた。それもその筈だ、クラナやジークが普段しているスポーツとしての格闘技とは違う。純粋に相手を“殺す”為に、それこそ気が遠くなるような年月の間、磨かれ続けてきた武芸なのだから。
「でも、ウチは其れを、制御出来とるわけや無いんよ」
「え?」
「あの“神髄”は、ウチが自分の命が危ない、って思うとウチが考えるよりも先に発動して、対応してしまう……お医者さんが言うには“熱い物に触れた時に手を引っ込めるのと理屈は同じ”なんやって」
「無条件反射……」
人間は、外部からのある特定の刺激を受けた際に、意識するよりも早く神経系を通して通常の反応よりもはるかに速く行動を起こす場合がある。所謂“反射”と呼ばれる物だ。
これの後天的に身に付いた物が、「梅干しを見るとつばが出る」「殺気を感じると身構える」等の行動。“条件反射”である。
そしてそれとは逆。「熱い物に触れると手を引っ込める」「煙を目に入れると涙が分泌される」等の行動を、“無条件反射”と呼ぶ。
ジークの能力は、この無条件反射に近いものなのだと言う。トリガーになって居るのは、彼女自身が「自身の生命を脅かすと判断出来る脅威と遭遇する事」これをジーク自身が認識した瞬間、彼女自身の意思とは無関係に、身体が“神髄”を発動させ、その力を持って認識した脅威を排除しようとするのだと言う。
「ウチはこれでもう、何度も物とか、部屋何かを壊してもうて、その度にいろんな人に迷惑かけて……自分の事やのに、其れが怖くなってな?今はこんな風に暮らせてるけど、昔ウチ、引きこもりやってんよ?」
自嘲するように小さく、弱弱しく笑って、ジークは首を傾げた、抱えた膝の上に乗る指先は小さく震えていて、何でも無い事のように語るその言葉が一種強がりを含んでいる事を、クラナに伝える。
「それでも、色んな人に助けてもらって、手を引いてもらって、此処ま
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