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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十四話 破壊の宿業 [弐]
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ない。
「んんっ!ふぅ……」
「なのは?」
思い切り身体を伸ばして、一度脱力させる。頭をフラットにして、沈んだ思考を再起動させる。
「ん!ごめん、フェイトちゃん!」
「?」
「ちょっと、悪い方に考え過ぎてたのかも。そうだよね、自分から諦めるなんてだめだよね!」
うん、と頷いて、やる気を湧き出させるように両腕を曲げて拳を結んだなのはに、フェイトは小さく笑った。
「うん、そうだよ。諦めないで頑張る方が、ずっとなのはらしい」
「うん、頑張る!」
其れはくしくも、妹がした決意と同じ。道のりは今も困難で険しい。けれど、出来ることをやり尽くしたとは思えない。今のは、そう、四年間溜まり続けた疲れが、ほんの少し表出しただけ。そう思う事にした。
フェイトも……なのは自身も、其れが空元気である事は、何となく分かってはいた。
理屈で出した疑問を、意思と維持で相殺する、不安定な納得だとも、理解していた。しかし今は其れで良い。
変わり始めたクラナと、諦めないと決めたヴィヴィオ、二人が歩み始めた中で自分が諦める等ありえない。見守るためにも、今はまだ、私は今までと変わらない二人の母親でいよう。
クラナの気持ちを聞くのは、その後で良い。
何時の日か、否応なしに、真実はやってくるだろうから。
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