暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十四話 破壊の宿業 [弐]
[16/17]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
、すぐに答えの出る問いでない事は分かっているだろう。だが、そう知りつつも、フェイトは何処かで、焦りを感じていた。
なのはもクラナも関係性と言う面で、徐々に次のステージへと進み始めている事は分かった。
クラナは今まで決して見せようとしなかった自らの優しさや活動と言った面を見せるようになり、なのははクラナに対して心の何処かで感じていた脅威に対する危機感を和らげ、彼を心から信じ始めている。
今のなのはの問いとは、これまでの問題とは根本的に別の問題だ。どうあっても自分を頼ろうとしない、優しさを持ちながらそれでもなのはを遠ざけようとするクラナを見たが故に抱いた、自分がクラナに取っては不要な存在なのではないかと言う不安。
その問いに、フェイトが完全に答える事は出来ない。何故ならその問いに本当の意味で答える事が出来るのは、クラナだけなのだから。だが……
「少なくとも……私は、クラナがなのはと一緒にあの家に住んでる事、間違ってるって思った事は無いよ?」
「フェイトちゃん……」
「この四年間クラナと同じ家に居て、同じ家に居るなのは達を見てて、凄く大変な事、悲しい事、辛い事は沢山あったし、なのは達にもあったと思う。でもね……?身体が大きくなって行って、小さな男の子だったクラナから、どんどん頼もしい、大人の男の人に近付いて行くクラナを見てて、私はそれだけでも凄く嬉しかったし、それはなのはだってそうじゃないかな……?」
「……うん」
それを、否定する事は無かった。何しろ、彼女達はクラナが本当に小さな子供のころから彼の事を見て来たのだ。ただ走り回り、騒がしく辺りを回るやんちゃ坊主だったクラナが、今は十分に身体を成長させ、たくましく頼もしい青年へと成り始めている。其れを嬉しく思わない筈も無い。
「ヴィヴィオもね?沢山大変な事はあったけど……お兄ちゃんが居て、其れが嫌だって思った事は、きっとないと思うんだ」
それは……そうかもしれない。どんなに無視されても、どんなに冷たい態度を取られても、へこたれる事無くクラナを好きだと言い続け、仲良くしたいと言い続けた娘なら、きっとそうだろう。
「……だから、ね?なのは……一緒に居ない方が良いんじゃないか、なんて……寂しい事、言わないでほしい……」
「あ……」
その言葉に、なのはは以前自分が言った事を思い出す。
『無理。なんて、すぐに言っちゃダメだよ?ヴィヴィオが諦めないならまだ出来るかもって思える事でも、「無理」って思っちゃったらすぐ本当に出来なくなっちゃう』
「……そう、だね」
あぁ、だめだな。となのはは内心で自戒した。自分で言っておいてこんな風に諦め気味な事を言っているなんて、必死に兄に近付こうとしているヴィヴィオにどんな顔で向き合えばいい?自分を棚に上げて物を言うような卑怯な人間にはなりたく
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ