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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十四話 破壊の宿業 [弐]
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うに言った。
「ごめんねフェイトちゃん。帰ってきたばっかりなのにお願いしちゃって……」
「うぅん、全然。私もクラナの顔早く見たかったし」
言いながら、フェイトはバックミラーで後ろに座って居るはずのクラナを見る。と……
「あれ?」
「?あぁ……」
クラナは窓枠に頭を付けて、すぅすぅと寝息を立てていた。発車してからほんの十秒かそこらだと言うのに、随分な寝付きの良さだ。ややフェイトが面食らって居ると、振り返ったなのはが苦笑して言った。
「きっと、凄く疲れてたんだよ……今日は、クラナも朝から大変だったみたいだから」
「そっか……身体は大丈夫だって?」
「うんっ。回復するにしたって早すぎるくらいだ〜。って、先生もびっくりしてたよ」
苦笑しながら言ったなのはの言葉に、フェイトは安堵の息を吐く。彼女がわざわざ急いで此処に来たのには、やはり倒れたというクラナが心配であったと言うのが何よりの理由なのである。そう言う意味でも、フェイトは心から胸をなで下ろして微笑する。同時に……
「…………」
「なのは、何かあった?」
「え?どうして?」
「なんだか、ちょっとぼんやりしてるみたいだったから」
小さく笑ってそう言った彼女になのはは一瞬目を丸くすると、適わないなと言うように小さく苦笑した。
「うーん、フェイトちゃんって、エリオとキャロのお母さんってなって、どれぐらい大変な事が会ったかって、覚えてる?」
「え?」
「あぁ。えっと変な意味じゃなくてね?その、お母さん先輩に後輩からの相談と言いますか……」
ゴニョゴニョ……としりすぼみに言葉を紡ぐなのはが彼女にしては珍しいと思えるほどにしおらしく、フェイトは微笑ましく思いつつ記憶を探る。
「大変……って意味で言うなら、最初の頃が、やっぱり一番大変だったかな。二人を預かるって決めてから、母さんに話聞いたり、本読んだり……」
「あぁ、私も貸してもらったねぇ……」
「そうそう。あ、アルテアさんの話も聞いたよ?」
「へぇ〜!なんて?」
「うーんとね……」
思い出し笑いをするように小さく笑いながら、フェイトはやや誰かをまねるように口調を変える。
「「とりあえず、目だけ離さないように気をつけなさい。子供って10秒眼を話すとソニックムーヴ使ってるんじゃないかってくらい早く居なくなるから」って、エリオとキャロはあんまりそんな事無かったけど……」
「あぁー!それは分かるかも!」
「うん、クラナ、昔そう言う子だったもんね」
懐かしそうに言う二人の間で、穏やかな空気が流れた。そんな流れで、フェイトは聞き返す。
「でも、どうして?」
「うーん、今日ね?久しぶりに、クラナの事叱ったり、凄く心配したりして……私がクラナのお母さんになって初めて……親子として、っていうのかなぁ。
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