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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十四話 破壊の宿業 [弐]
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ってはそれがまた面白いようで、仕舞いにはクスクスと声を上げて笑い出した。
「むぅ、何で笑うん〜〜!?」
「ふふっ、うーん、その内分かるかも知れないし……もしかしたら分からないかも知れないわね?」
「な〜ん〜や〜の〜!?」
自分の事なのに自分には分からないというもどかしさに、ジークは腕をぶんぶんと振りながら車に揺られていた。
――――
時間は少しだけ巻き戻る。
ヴィクトーリア、ジークの二人と別れたなのはとクラナは、なのはにクラナがついて行く形で、病院前を歩き出した所だった。
「でも良かったぁ、最初にクラナが倒れたって聞いた時は、本当にどうしようかと思ったんだよ?誰も大きな怪我はしてないからあれだけど……でも、本当に危ない事だったってことは覚えておいてね?」
「……すみません」
珍しく本気で落ち込んだように頭を下げるクラナを見て、なのはは小さく苦笑する。そういえば、クラナをこんな風に叱ったのは何時以来だろう、などとお決まりになりつつある思考を回しかけて……自分がクラナの親となってから、彼をちゃんと叱るのが、実は初めてであることに気が付いた。そんな思いに耽っていると……
「…………」
「…………」
あ、しまった。と、なのはは自らの失敗を悟った。会話が完全に途切れたのだ。実は、なのははクラナを叱ること以前に、クラナと二人切りになると言う状況自体が随分久し振りだった。
それの何が問題かと言うと……会話が続かない。
普段なのはは、他人との会話に困ると言うことは“ほぼ全く”無い。教導官としては初対面の人間が相手であっても普通に会話しなければいけないし、そもそも人間的にもなのはは気さくな方なので、事情がない限り変に相手の方が萎縮すると言うことも無かった。……が、相手がクラナになると、事情が完全に違う。
まず、話題がない。なのはとクラナは普段お互いの事に録に干渉しない(出来ない)ため、相手と何を話せば良いのか分からなくなる。加えて“何の気兼ねもなく話す”と言うには、なのはとクラナの間の事情は些かこじれ過ぎている節がある。
「(うぅ、なにか、話した方がいいのかな……)」
全くらしく無い。そう分かって居ても何かを口に出すのが難しい。
親である自分がこんな事でどうするのか。そう自分を律しようとしてみても、今すぐに彼との間にある深い溝が埋まる筈も無い訳で……
「…………」
「…………」
いよいよもってなのはの中の焦りが頂点に達しかけた……その時である。
「あの……なのはさん」
「にゅぇっ!?う、うん!?なに!クラナ!?」
予想外だった。まさかクラナの方から自分に声を掛けて来ると思っていなかったなのはの口から、妙な声が出る。自分でも驚くようなその声にやや赤面しつつクラナを見ると、クラナは小さく苦笑
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