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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第百二話 春の穏やかな一日 中編
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少女とそれを支え続けた医師。
 二人のやり取りに水を差さないように士郎とリインフォースは静かに少し離れて見つめていた。

 そうしている内に、シグナム達と大量の食べ物と飲み物を抱えたヴィータが戻ってくる。

 もって来た食べ物や飲み物を広げて準備している間、はやては改めて石田先生に向かい合う。

「石田先生、お医者さんとはちゃうけど、先生とよく似たお仕事をすることになると思います。
 悪いところ抑えて、ええところはええままでいられるようにするお仕事です。
 その時、私みたいな不良患者に辛抱強く接してくれた石田先生の事、きっと思い出します」

 一般人である石田先生に話せる範囲での精一杯のはやての覚悟。
 あまりに曖昧すぎるそれを、ただ理解は出来なくとも思いを感じ取るように真っ直ぐ見つめ、受け止める石田先生。

 とはいえ、はやての治療完結とも取れる宣言には釘を刺しておくのは、はやての事を真剣に考えてくれているからなのだろう。

 そこに、八神家と石田先生の穏やかな場に乱入者が現れる。

「おお〜、いたいた〜」

 普段の落ち着いた感じとは違い、身体はゆらゆらと揺れ、顔は赤く染まっている。

 アレはまずいとシグナム達が感じた時、それは既に動いていた。

「ヴォル、おっ」
「大丈夫ですか? レティさん」
「あら〜、士郎く〜ん」

 もやは完全に酔っ払っているようで、一般人の石田先生の前でヴォルケンリッターと叫ぼうとしたレティの腰に手を回しを抱きしめるように支える士郎。

 もっともレティがバランスを崩したのは士郎が抱き寄せたからなのだが、余計な発言はさせまいとする士郎の咄嗟の機転である。

「そういえば最近、落ち着いて話せていませんでしたよね?」
「そう〜ね〜。相変わらず忙しくてね〜」
「付き合いますから、向こうに行きましょう?」

 興味を士郎自身に向けさせ、会話の主導を握る士郎。

「それならあの子達も」
「後で連れてきますから、二人だけのほうが話しやすいこともありますし、何より色々相談したいこともありますから」
「そう? な〜ら、行きましょう!
 また後でね〜」

 やけに手馴れた動きで酔っ払ったレティを誘導する士郎。

 士郎の手際とレティの酔っ払いぶりに半ば唖然としながら見送るはやて達であった。
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