二十二話:お話と日常
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もはや隠すことは不可能だと判断したのかノーヴェさんの前で堂々と素の自分をあらわにしているミカヤ。
ノーヴェさんの方も、もう慣れたのか特に気にすることなく料理を食べている。
どうせなら俺を開放するように言って欲しいがそれがないのが悲しい所だ。
「例え、おもちゃ扱いやっても渡さへんよ!」
「手元に置いておくというのはツンデレですか? それともヤンデレでしょうか? どちらにしろお兄ちゃんは私の様なクーデレが好きですので需要はありません」
「なぜ、そのことを!?」
「妹ですから」
至極当然とばかりに真顔で答えられて思わず、なら仕方がないなと納得してしまいそうになった自分を殴りたい。
それとアインハルトちゃんはクールではあるがクーデレではないと思うのは俺だけか。
「その反応という事は……事実なんやね?」
「ほほう、リヒターはクーデレ好きか……これで弄るネタがまた増えたよ」
「しまった!」
予期せずして情報が漏れてしまったことに焦りを覚えるが時すでに遅し。
目を光らせるジークやミカヤだけでなくヴィヴィオちゃん達にまで俺の弱点が伝わってしまう。
誰か、誰かこの場を収めてくれ…ッ!
「はい、はい。リヒター君を虐めるのもおもろいけどそろそろ本題に入ろっか」
はやてさんが壊れかけた場の空気を直して本来の目的である話に持っていく。
そして、俺に対して意味あり気にウィンクしてくる。俺は助けられたのだ。
その事を理解した俺の口からは自然と言葉がこぼれてくる。
「あなたが神か?」
「後日? 貢物? 持ってこいやて?」
「あんたなんか、神じゃない! クズだ!!」
折角感謝したのに、報酬として贈り物を持って来いなんて腹黒い。
やっぱり俺にとっての神はなのはさんしかいないらしい。
『バスケがしたいです……』並みの膝の付き方をした俺を放置してシリアスな話は進むのだった。
話を聞く限りアインハルトちゃんのご先祖である覇王イングヴァルトとジークのご先祖様の一人であるヴィルフリッドは友人だったらしい。
仲が良かったらしいのだがどうも聖王女オリヴィエが『ゆりかごの王』になった件から疎遠になり色々と複雑な感情があったらしい。
……今となってはそれ以上の感情があるから余り気にしてないらしいが。
「それにしてもなんだかすごい話を聞いちゃってる気がするんですが……」
「貴重なお話ではあると思うんですが……」
「まあ、これでも食べて落ち着け」
『モゴッ!?』
一般庶民として話について行けずにぽかーん、と口を開けているミウラちゃんとエルスの口の中にケーキを一欠けらずつ放り込んでみる。
一瞬むせそうになりながらもケーキを飲み込む二人を尻目に俺も
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