九十九 無双
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かけられもしない…鳴滝を除いて。
とまぁ、そんなことを考えながらも、既に白組の棒はすぐ近くにある。
「これで俺達の勝ちだ…!」
なんて上手く行くほど世の中は甘くない。
知ってたさ。………ホントだよ?
「やぁ。来ると思ってたよ」
「…葉山…」
もう少し。そんな俺の前に立ちふさがるように躍り出たのは赤組男子に敵認定された葉山だった。
「その包帯、頭に怪我でもしたかい?」
「っ……へっ」
俺は額に巻いてあった包帯をゆっくりほどく。
取れた包帯をそこら辺に捨てて葉山を睨み付けた。
「ちょっと頭の痛い子なんでな」
「材木座君…だっけ?彼を囮にするまでは良い作戦だった。本当はアイツを単独で突っ込ませて来るだろうと思っていたんだけどね」
「残念だったな、予想が外れて」
鳴滝の言った通り、葉山は鳴滝が突貫すると踏んでいたようだ。
俺の後ろにはいつの間にか二人の男子が立っている。
「でも、結局君の作戦は失敗した。普段からアイツといる君達を、俺がマークしないわけがないだろう?」
「あんまり買い被るなよ、元虐めっ子」
「ふふっ…悪いね。「スタンドプレーにはチームプレーで対抗させてもらう」……っ!?」
鳴滝の予想が当たりまくっていて怖い。
「葉山。お前の考えは全て鳴滝に読まれているぞ?」
「何っ…!」
「作戦を立てるとき、鳴滝が言ったのさ。『葉山ならこう言うだろうな』ってな」
「か、考えが読めていても実際に君はもう終わりだ。
大人しく捕まるんだね」
明らかに同様を見せる葉山。
何か今までの分を合わせて気分が高潮してきたぞ。
「ふぅ…」
「っ?…降参かい?」
俺は両手をあげ、降参を示す。
葉山は一瞬だけ身構えたが、それを見て姿勢を戻した。
後ろの二人も油断している。やるならばここしかない…!
「いいや?材木座ぁぁ!」
俺は先ほどまでウザイ演技を披露していた材木座に呼び掛ける。
だが――
「は、八幡〜…」
材木座は打つ伏せに倒され、拘束されていた。
「……………マジかよ」
「残念だけど、読んでたよ。
これで君の思惑は完全に崩れただろう?
アイツも、今頃は帯野君に組伏せられて…?」
葉山が赤組の陣営に目を向けて固まる。
まるで信じられないものを見るかのように目を見開いている。
俺も釣られてそちらへと視線を移せば――
「まだまだぁ!」
「いい加減にしろよ…」
掴みかかろうとする白組の男の猛攻を、溜め息付きながらいなしている鳴滝がそこにいた。
「何なのアイツ?修行僧?」
まさにカンフー映画の立ち会いを見ているように華麗に動く鳴滝。
だが、これならま
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