九十九 無双
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!」
「…その前にお前誰だよ」
「ふっ…俺は2年A組、帯野九朗!」
帯野…確か柔道部所属の生徒だったか。
「で、一騎討ちってなんだよ。喧嘩でもするきか?」
「バカを言うな。そんなことをすれば停学が待っているだろう!
良いか!俺はお前のポテンシャルを誰よりも逸速く見抜き、前々から目を付けてきたのだ!故に俺はお前の隠された実力に目をつけた!」
「長ぇよ。簡潔に用件を言いやがれ」
「柔道における一本勝負を一騎討ちと称し、俺と戦え鳴滝!
俺が勝った場合、貴様には柔道部に入ってもらう!」
なーんて面倒な事を言い出しやがりますかねこの熱血男は…。
見ろよ、雪ノ下のあの冷徹な目を。
あんなの負けたら殺すって言ってるようなもんだぞ?
明らかに『不安』と『祈願』、『思惑』、『殺意』が入り交じってるし。
「行くぞぉお!」
「まだ受けるって言ってねぇよ」
声を張り上げて突進してくる帯野の手を払い流して後ろに回るように足を運ぶ。
帯野は一瞬だけ呆けたが、再び俺を見つけて突貫をする。
「お前プロレスじゃねぇんだからよ…普通にしてこいよ」
「おおおおお!」
聞いてねぇな。
まぁ少し考えることにしようか。
この男、帯野は俺を見つけて現れた。
まず帯野の目的は簡単に言えば俺の柔道部への勧誘だ。だがそれは体育祭の、それでこそ競技中に言うものではないはずだ。
勧誘ならば普通の日にでも俺を訪問すればそれですむ話だ。
ならばなぜ今なのか。
それは確実に白組の向こう側で嘲笑う目を向ける葉山が関係している。
大方俺を押さえてくれとでも指示されたのだろうと結論付ける事が可能だ。
まぁ帯野の勧誘は嘘じゃないみたいだし、いい機会に勧誘もしておこうと言う思惑なのだろう。
「てやぁあ!」
「ふっ!っと!」
次々と掴みかかる手を払い除けて体を捌く。
帯野は疲れてきたのか額に汗を流している。が、その目は諦めないと言う『決意』がうっすらと見え隠れている。
「本当に…」
――どうしたものか…。
そう思わずにはいられなかった。
比企谷side
「けぽぉぉう!」
材木座がグラウンド中央でウザイ演技を披露している。
俺はその横を素通りして白組の陣営へと足を進める。
俺は今、額に包帯を巻き、赤いハチマキを隠すようにしており、既に回りからはスルーされる状態となっている。
現に俺の横を通りすぎる白組男子は、俺の事を見ておらず、普通に走り去っていた。
これが俺の永きに渡るボッチ生活で会得したスキル…ステルスヒッキー!
周囲の空気に溶け込み、俺の姿を認識されないように振る舞うことで、誰からも相手にされず、話し
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